牧師室より

ウクライナでは、ロシアに支えられてきたヤヌコビッチ政権が崩壊した。多くの死傷者を出し、国を二分するほどの混乱状態にあったが、親欧州の反政権派が新政府を樹立した。しかし今後も、ロシア対西欧という対立構造は残るであろう。

欧州連合(EU)が誕生した時、新しい歴史の到来を感じた。ヨーロッパは戦争に明け暮れ、国境線の書き替えに興じた歴史であった。EUは血なまぐさい歴史を解消し、平和を実現する大きな希望となった。加盟すれば、戦争は回避できる。通貨も共通で、国境をなくしたような関係を結べる。文化、文明においても、世界の先頭を走ってきた。ヨーロッパに隣接する国々はEUへの加盟に熱心であることは容易に想像できる。EUの保持には、国の経済力によって、困難があるが、とにかく協力し合っている。共生と平和を目指す将来の世界像を模索している。ちなみに、日本は国の借財が多過ぎることと死刑制度があるために、EUには加盟できない。

米国の裏庭と言われた南米は間接支配と収奪を受け、苦しみ抜いてきた。そのため、南米のほとんどの国は反米国家になっている。南米連合ができないものかと期待する。

アフリカは資源の争奪で、国内でも争いが絶えない。アフリカ連合はほど遠い。アジア連合は歴史と価値観が違い過ぎ、更に困難であろう。

「港南台9条の会」は毎年、「港南台地区センターまつり」に参加している。憲法9条の条文を縫い付けた「9条キルト」を展示し、「折り紙コーナー」などを設けた。墨字の「平和川柳」も掲げた。私は「国がなきゃ みんな仲良く できるのに」という川柳を出した。国益を至上価値とする国家最優先から、他国を尊重し、国家を相対化していくことが平和を生み出していくのではないか。