牧師室より

12日にH.T氏と結婚式をあげたB.S姉のお父さんの朴米雄牧師が、翌日の礼拝で説教してくださった。朴牧師は、青年時代、同じ教会で信仰生活をした旧友である。彼は在日二世で、青年時代は苦悩のただ中にいた。教会を訪れ、熱心に求道をした。キリストの福音に救いを見出し、牧師へと献身し、在日大韓基督教会の牧師になられた。牧師になってからの交流はほとんどなかった。

ある日の礼拝に、B.S姉とお母さんが見え、朴牧師の娘さんと奥さんであることを知って、驚き、懐かしかった。以来、B.S姉は私たちの教会で礼拝を守り、転入会された。娘さんの結婚式に見えた朴牧師に説教をお願いする機会を得た。

「年老いてなお若々しく」と題して、詩7118節から説教された。

敗戦時、日本は瓦礫と焼野が原であった。そこから、懸命の努力によって復興し、世界一の長寿国となった。今、高齢を迎えている方々は、長生きしたい、長生きに意味があると思っているでしょうかという問いかけから、話し始めた。

詩編71編の詩人は、年をとり、重い病気に罹って、苦しんでいるが、どんなに年老いても長生きしたいと神に訴え、願っている。詩人は若い時から、信仰をもって人生を歩み、今も篤い信仰に生きている。そして、長生きしたい思いを「わたしが老いて白髪になっても 神よ、どうか捨て去らないでください。御腕の業を、力強い御業を 来るべき世代に語り伝えさせてください」と歌っている。詩人は、長寿は神の祝福であると信じている。そして、年老いた今こそ、神の恵みの業を後世に語り伝えるために、なお長生きさせてくださいと祈っている。老いの現実は厳しいものがある。しかし、神の恵みを子どもや孫たちに語り伝えるために、希望をもって若々しく生きましょうと、年を重ねることの意味を慰め深く語られた。私たちの教会にふさわしいメッセージをいただいた。