牧師室より

今年の平和聖日は、1967年の復活主日に、時の教団議長・鈴木正久牧師の名で出された「第二次大戦下における日本基督教団の責任についての告白(以下−戦争責任告白)」について、私が説教した。19416、政府の要請に応えて、プロテスタント諸教派が合同して「日本基督教団」が誕生した。その教団はキリスト教信仰よりも、「皇運を扶翼奉るべし」とする皇国史観が優先していた。それ故、唯一の神信仰を捨て、神社参拝を国民儀礼として受け入れていた。そして、戦争に全面的に協力し世界の、殊にアジアの人々に多大な犠牲を強いる結果となった。戦争責任告白は、これらの罪責を懺悔し、「地の塩」としての教会の使命に立つという決意表明である。悔い改めを通して、人間としての回復が約束される。私は、罪責告白によって、赦され、教団がキリストの教会として立つことができると信じている。教団の諸教会、横浜港南台教会が戦争責任告白を告白し、平和を希求する群れであって欲しいと説教した。

午後の講演会は、大井伝道所の大久保徹夫兄が「核と人間・生物−核の諸問題について−」と題して、講演をしてくださった。

大久保兄は、内外の「核問題」の情報をキャッチし、多くの方々にメールで警告を発し続けている。地球が誕生した46億年前は、放射線が充満していたが、徐々に、人間の住める環境になってきた。今、人間の作った「核」によって、再び放射線を増幅させる状況に逆転しているという「地球時間」から話し始めた。放射線が及ぼす影響は、「悪性腫瘍」の問題と捉えられているが、「消化器官」の疾病を招く影響も大きい。核と人間は共存できないと力説された。

アイゼンハワー大統領の「核の平和利用」という発言から、原発開発が進んできたが、米国の核優位を不動のものにする政策である。この米国の政策に日本政府は追従している。原爆反対は原発反対とつなげなければならない。地球を滅ぼす「核」に抗議しないことは、賛同を表明していることになる。隣の人に「核反対」を草の根運動として、展開しようと訴えられた。