牧師室より

クリスマスおめでとうございます。主イエスのご降誕の出来事はマタイ福音書とルカ福音書に記されている。マタイ福音書は父ヨセフの側から、ルカ福音書は母マリアの側から書かれている。双方とも、主イエスは「聖霊によって」、「聖霊が降り」宿ったと「聖霊」の関与によると告げている。主イエスのご降誕は男と女の自然の関係を超えた神の出来事であると言う。これはもちろん、歴史的な事実を言おうとしているのではなく、神話的、寓話的表現である。古代人は自分たちの信仰告白を抽象的な概念でなく、豊かな神話的、寓話的表現で著した。その彼らの表現から彼らの意図に沿って受け止めることが、聖書を正しく理解することである。

クリスマスの意味はヨセフに夢の中で告げた主の天使の言葉に表されている。「『見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。』この名は、『神は我々と共におられる』という意味である。」主イエスのご降誕によって、神が共にいてくださることが啓示された。永遠の神が、地上で苦しみながら生きている人間と共にいてくださる。この奇跡を「聖霊によって、聖霊が降り」という表現で著したのである。これを信仰をもって認め、信じるのである。

宗教(レリジョン)はラテン語の「レリギオ(結ぶ)」という言葉から来ている。神と人とが結び合うところに、確かな救いがあると信じ、それを求め続けた。

聖書は、願望が叶って幸せであることを救いとは言わない。どんなに辛く、苦しい人生を生きていようとも、神に結ばれ、神が共にいてくださることを救いと言っている。

主イエスのご降誕によって、インマヌエル、神は我々と共におられる救いの事実が到来した。それは、聖霊によって、神ご自身の力によって実現した。そう信じて、ご降誕を祝い、神を賛美することがクリスマス、キリスト礼拝である。