牧師室より

入門講座は使徒言行録を読んでいる。聖霊降臨によって誕生したエルサレム教会の生き生きした活動はまぶしいように輝いている。殊に、ペトロの伝道と説教は素晴らしい。福音書に書かれているペトロは、血の気が多く、律儀であるが、イザという時に、挫折してしまう。誰もが、自分の姿と重ねて見るだろう。

ところが、使徒言行録に書かれているペトロは生まれ変わっている。エルサレム神殿当局は、自分たちが十字架で殺したイエスが復活し、人を救う力を現しているというペトロの伝道を聞き、最高法院を召集して尋問する。最高法院はイスラエルで最も権威ある、恐ろしい裁判所であるが、ペトロは臆することなく、堂々と弁明している。聖書は「無学な普通の人であることを知って驚き」と書いている。

最高法院はイエスの名によって話し、教えることを厳しく禁止する。それに対し、ペトロは「神に従わないであなたがたに従うことが、神の前に正しいかどうか、考えてください。わたしたちは、見たことや聞いたことを話さないではいられないのです」と語っている。

福音書と使徒言行録のペトロは別人になっている。この生まれ変わりは復活した主イエスに出会ったからである。K.T兄は「ペトロは主イエスを追体験している」と言われたが、まさに、主イエスの復活の命に与り、主イエスを生きている。復活は、このような生まれ変わりを約束する出来事ではないか。