◇牧師室より

 今年の「平和聖日」は、三・一教会の平良愛香牧師をお招きした。説教はヨハネ福音1633節のみ言葉を中心に話された。主イエスは、最後の晩餐において、長い告別説教をされた。弟子たちがこれから遭遇する苦難は容易に想像できた。愛と信頼を込めて、私を信じ、繋がっていなさい、互いに愛し合いなさい、と諭された。その最後に、「あなたがたには苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。私は既に世に勝っている」と結ばれた。私たちも現実生活において、誰もが苦しみに遭い、不安と恐れにつきまとわれる。しかし、主イエスは勝利しておられる。主イエスの勝利の中に既に置かれていることを信じる時、大きな励ましと勇気が与えられる。主イエスが与えてくださった神の国の恵みの現実を生きることが、私たちの信仰であると語られた。 

午後の講演会は「沖縄を知る覚悟がありますか」と題して話された。平良牧師は沖縄出身である。まず、ピアノと持参した三線で、沖縄の歌を歌われた。講演では、度々の「琉球処分」を味わった苦難の歴史から話し始めた。そして戦後、米国の施政権下に置かれ、基地の島になり、米軍から理不尽な支配を受けた。40年前、「本土復帰」を実現したが、本土と沖縄の差別構造は変わることがなかった。日本の国土面積の0.6%の沖縄に日本の米軍基地の75%がある。「核抜き、本土並み、平和憲法下」の期待は裏切られ、「復帰」を喜べない状況にある。

現在、最も危険な普天間基地から辺野古への新基地建設が取りざたされているが、おじぃ、おばぁたちが1996年から始めた移設反対の座り込みは今も続いている。彼らは言う。「被害者になることは我慢したりあきらめたりすることもできる。けれど、加害者になることには我慢ができない。」「必ず勝つ方法が一つある。それは勝つまで続けることさぁ。」

沖縄の痛みを分かち合ってもらえないもどかしさと怒りを平良牧師の講演から聞いた。