◇牧師室より

朝日歌壇で、永田和宏選の第一首に「僕なんで死んでゐるのといふ顔の子が死んでゐるシリアの街に(匝瑳市 椎名昭雄)」が選ばれていた。シリアでは、アサド政権は市民に対し、強力な武器で発砲し、多くの無垢の子どもたちを無残に殺害している。子どもたちは殺された理由が分からず「僕はどうして死んでいるの」と問いかけたげな顔をしていると詠んでいる。残酷である。

いじめを受けて、中学2年の生徒が自死した。学校と教育委員会の大人たちは「知らぬ、存ぜぬ」と責任を回避し合っている。

人災とされた原発事故によって、生活が根こそぎ奪われ、子どもたちの健康被害が危惧されている。しかし未だに、企業責任は曖昧で、刑事責任は問われていない。

大人たちが子どもたちの命を奪い、縮めているのではないか。