牧師室よ

神奈川教区教職研修会に出席した。今年は「東北ヘルプ」の代表者、日本キリスト改革派仙台教会の吉田 隆牧師をお招きして、東日本大震災をテーマにした研修会であった。

仙台の諸教会は革新的で、信教の自由を守る日の集会、憲法9条を守る運動、ホームレス支援などを超教派で行っていた。これらの基礎を持つ連携が今回の大震災を受け、急速に大きく連動し、「東北ヘルプ」を立ち上げ、法人化していった。

吉田牧師は、出発から現在までの「教会的視点からの被災支援」について克明に話された。東北には小さな教会が沢山ある。それらの諸教会への支援はもちろんであろう。仏教界と共同して死者の弔い、痛めつけられた人の心の相談、外国人被災者と避難所支援、原発被災への対応など、多岐に渡り、細やかに、そして精力的に活動している。この支援は、キリスト教伝道を目的にしないで、祈りをもって、小さくさせられた人々に寄り添う支援である。

テレビなどで放映されると、どっさり支援物資が届く。しかし、それにもれた人に届ける無償の奉仕を続けている。後になって、教会からの支援であることを知り、地域と教会のつながりが深まり、信頼を得ている。教会が損害を受けていても修理を後回しにし、地域に尽くしている。これだけの被害を受けたのだから、教会だけが復興すればよいという考えは持てない状況にあることは容易に想像できる。

吉田牧師は「教会の奉仕は、弱く、小さくさせられた人々への配慮、心のケアをすることで、それは、御言葉と祈りによる霊的な奉仕である。神が支配する神の国の実現のために道具となって用いられることである」と力説された。また、「支援活動を通じて、国内だけでなく、外国を含めて、教会のネットワークには驚くほどの広がりと力がある」と言われ、最後に「継続して祈ってほしい」と結ばれた。

翌日、牧師たちが自分たちの教会での支援について報告し合った。諸教会は懸命な働きをしている。教団は、被災した奥羽、東北、関東教区の負担金を免除し、他の教区で補い合う形にしたという報告もあった。