◇ 牧師室より ◇

新しい年を迎えました。この年のあなたの歩みの上に主イエスの恵みと祝福を祈ります。今年もよろしくお願いいたします。 

2012年元旦

「権力ある者をその座から引き降ろし、身分の低い者を高く上げ、飢えた人を良い物で満たし、富める者を空腹のまま追い返されます。」

(ルカ福音書1章52節〜53節)

マリアは、主イエスのご降誕は人間の作る価値の大転換であると歌っています。主イエスが示された大転換の福音は苦しむ者に「生きよ」との是認宣言でした。是認を共有する者でありたいと思います。

 隆雄は、あと数年のロスタイムの奉仕であると思っています。ロスタイムだから、全力で努めたいと願っています。

悦子は、生まれて今日まで、教会で過ごしてきました。喜び、悲しみを様々に味わえた恵みに感謝しています。

 私たち夫婦の年賀状です。

昨年は、3月11日に東日本を襲った地震と津波の恐怖に言葉を失いました。被災した方々の悲しみと苦悩はいかばかりかと思います。引き続いて起こった福島原発事故は、計り知れない不安を残しました。解決の糸口が全く見えません。原子力行政は「安全神話」を作り上げ、巨大な力で推し進めてきました。

 アジア・太平洋戦争は国民に有無を言わせず、総動員させました。多大な犠牲を払って、ようやく敗戦を迎えました。あの時の戦争動員と現在の原発行政は相似形に見えます。

原発事故は数十年に亘って不安が残ります。被曝しながら、事故処理に当たっている人々の労苦を思います。この期においても、原発を推進しようとする声と動きがあります。

私は、はっきり「脱原発」を主張していきます。それは、命の尊厳を守ることです。安心して、生きていて良かったと思える社会を作ることが求められています。

書は「マリアの賛歌」を通して、人間の作る価値体系をひっくり返し、貧しく、苦しむ者を支えよと述べています。今年は、転換に向けての初年度になることを願って、歩き始めたいと思います。