◇牧師室より◇

M・スコット・ペック氏が著した『平気でうそをつく人たち』から再度、その結論を短く紹介したい。

悪は、知的怠慢とナルシシズムが引き起こす。知的怠慢とは、出来事の事実を認識しないことである。ナルシシズムとは、自己愛が自分を正当化し、敵を作り出し、攻撃することである。

破壊によって悪を処理しようとするならば、その人自身が破壊される結果になりかねない。悪の治療は、愛によってのみ達成できる。愛は自らが犠牲を負うことによって、悪を吸収していく。そこには、犠牲者を勝利者にする神秘的な秘術がある。

その秘術を下記のようにまとめている。「犠牲者が勝利者になるといったことがどのようにして起こるのか私は知らない。しかし、それが起こることだけは知っている。善良な人がみずからの意志で他人の邪悪性に刺され−それによって破壊し、しかもなお、なぜか破壊されず−ある意味では殺されもするが、それでもなお生きつづけ、屈服しないということがあることを私は知っている。」

ペック氏は、最初に自分はキリスト者であると明言している。上記の言葉は、罪を負い十字架で死んで、復活した主イエスの福音の出来事を鮮やかに指し示している。また、パウロの「打ち倒されても滅ぼされない。わたしたちは、いつもイエスの死を体にまとっています。イエスの命がこの体に現れるために」という言葉の意味を知らされる。