◇牧師室より◇
K子姉宅での本郷台家庭集会では始めに、妻が讃美歌二曲を選び、その作詞者と作曲者がどのような信仰と状況で作ったかを紹介しています。深い信仰の中から生み出された讃美歌の持つ慰めと励ましを改めて知らされます。
讃美歌451は「くすしきみ恵み(アメイジング・グレイス)」で、有名歌手やドラマのテーマ曲などによって多くの人に知られ、愛されています。私が、この讃美歌を聞いたのは、米国の黒人教会のゴスペルで、その迫力に圧倒されました。以来、黒人霊歌とばかり思っていました。後になって、作詞者は18世紀、英国教会の牧師・ジョン・ニュートンと知りました。しかも、若い頃、奴隷船の船長であったことを知り、更に驚きました。歌詞の1節は「くすしきみ恵み われを救い、まよいしこの身も たちかえりぬ」です。彼の生まれ変わりには大きな悔い改めがありました。彼はトマス・ア・ケンピスの「キリストに倣いて」を読み、心を動かされ、救いを求め、聖書を真剣に読みました。やがて、英国教会の牧師になり、そこで出会った詩人と「オルニー賛美歌集」を出版し、その中に「アメイジング・グレイス」が収録されています。
神は、主イエスの十字架において、罪、咎を全て赦し、圧倒的な恵みに包んでくださっています。この恵みへの応答が人を新しい生き方へと変えていきます。今日から入る受難週、主イエスの受けた苦難と死に心を向けていきたいと思います。