◇牧師室より◇

 .R兄が85歳の生涯を終えて天に帰られました。T兄は、慶応義塾大学で40年、聖学院大学で10年、法学の教授として学生たちを教え、またクラーク学園の理事長として13年大学運営に関わり、大学人として重責を担ってこられました。

教会では、伝道所の開所当初から、一信徒としてひたすら献身、奉仕をしてくださいました。私たちの教会はプレハブの仮会堂から出発したので、会堂建設、そして教会の自立と成長が課題でした。これらの課題について多くの議論を重ねてきましたが、T兄は、そのつど適切な意見と方向を示してくださいました。

教会学校では受洗以来、62年奉仕し、私たちの教会でも、校長を長くされました。幼稚科のリーダーとして、子どもたちと喜々として向き合っていた分級での姿を思い出します。

教会墓地の権利金を献金くださり墓地を作ることができました。教会墓地があることは教会員を安心させてくれます。毎年、盛大な墓前礼拝ができることは感謝です。

T兄は、葬儀用備忘録を1993年、67歳の時に最初に出され、2010年2月まで5回提出しておられます。いつも死を覚えて生きてこられました。「メメントモリ・死を覚えよ」がT兄の力強い生き方を支えたのではないでしょうか。備忘録の冒頭に「教会の葬儀は礼拝と考える 死者も共に礼拝に加わるものである」 、葬儀はみ言葉が示され、故人と共に、神を崇める礼拝であると書いておられます。そのように葬儀をしました。

T兄を天に送り、教会創立30周年の節目から、新たな出発をするように押し出されたように思っています。