◇牧師室より◇

 自死者が13年間、3万人を超え続けている。NPO法人グリーフケア・サポートプラザは「自死&自死者、遺族への偏見・差別の是正に向けて」と題するシンポジウムを開催した。会の最後に、下記のような「自死者の名誉回復宣言」と自死遺族二次被害者保護法(仮称)制定に向けてのアピールがなされた。

「わたしたちは、おのずから亡くなった人たちの人格の尊厳と名誉を守るために、『自殺』という言葉ではなく、『自死』という言葉を用い、次のように宣言します。

◎ わたしたちは、自死をいたずらに推奨し、美化したりは決していたしません。◎ わたしたちは、自死者のいのちを大切にしなかったわけではなく、それぞれのかかえる問題でやむにやまれず、みずからの命を絶たざるをえない状況に追い込まれたのだと考えます。◎ わたしたちは、自死者の人格を非難、中傷、攻撃するような社会的風潮やいわれなき偏見・差別に反対します。◎ わたしたちは、自死者は繊細、純粋、心やさしく、死ぬまで精一杯努力し、まじめに生きてきた人たちであると思います。◎ わたしたちは、自死者の思いに寄り添い、祈り、かれらの生きた日々を心に刻み続けます。」

自死に対する無理解がある。また、信仰者に罪悪視する傾向が強い。宣言で述べられているような理解と対応が大切である。自死者の切なる声を聞く、遺族の悲しみに寄り添う、

また、孤立しないで、人との関係性を深める。それらが自死を止めることにつながっていく。