牧師室よ

 教会はいつの時代も熱心に伝道してきました。伝道とはイエス・キリストによって与えられた救いの事実を人々に伝えることです。救いの事実とはイエス・キリストの十字架によって人間の罪が赦され、イエス・キリストの復活によって神の命が与えられているという喜びです。教会はこれを福音と言ってきました。この福音は、神はあなたを無条件に受け入れ、神と共に生きることを保証しているということです。あるがままのあなたを「良し」としてくださる。私は「生きることの絶対的な是認」という言葉で表したいと思っています。神はイエス・キリストの十字架と復活において、そのように私たちを愛してくださっています。

 自分自身を愛せず、受け入れられない、また、他の人も私をダメな人間だと言う。しかし、神はイエス・キリストの十字架と復活によって、神に愛されている者としてくださっている。これを信じる時、生きることを喜び、どんなことがあろうとも勇気を持って前に進むことができます。私は、神の名において全く是認され、生きよと言ってくださった福音を知らされ、この福音が何よりの支えとなりました。ですから、私を生かしてくださった福音を伝道したいと牧師への道を歩んできました。

 伝道は強制や脅迫することではありません。また、教会の拡大を目的にすることでもありません。神がイエス・キリストにおいて現してくださった「是認」の喜びを受け入れ、その喜びを共有しましょうと呼びかけることです。そして、喜びを共有する教会生活を続ける中で、私たちの生き方が確実に変わってきます。なぜなら、この私が赦されて、神に生かされていることを知ることですから、平安があり、生きることに向かって力が与えられます。私たちの教会は、この救いの事実に応答して、共に生きましょうと伝道しています。