牧師室よ

 ブラジルに遣わされている小井沼眞樹子宣教師が1年半ぶりに帰国したので、説教をしていただいた。

眞樹子師は、北東部のオリンダという町のメソジスト教会で宣教に携わっている。オリンダは、飛行機を3回乗り継いで34時間もかかるほど遠い。そして、日本人は居らず、ポルトガル語だけの中で暮らしている。言葉の習得に苦労し、月に一度の説教は日本語で考え、ポルトガル語に置きかえるという苦戦を強いられている。しかし、教会員とは親しくなり、素朴な信仰が人間らしく生きる支えとなっていることや、地域の貧しい事情が様々な苦悩を生み出していることも分かってきた。教会が負っている使命も見え、有意義な教会生活をしている。

そのような宣教の中で「神の愛」を身近に受けてとめていると説教された。ヨハネの手紙 一 4章9〜10節に「神は、独り子を世にお遣わしになりました。その方によって、わたしたちが生きるようになるためです。ここに、神の愛がわたしたちの内に示されました。わたしたちが神を愛したのではなく、神がわたしたちを愛して、わたしたちの罪を償ういけにえとして、御子をお遣わしになりました。ここに愛があります」と書かれている。主イエスの十字架に神の具体的な愛が示された。この愛を受け止め、互いの間で、この愛を生きるように招かれている、と明快に、そして力強く説き明かされた。

午後、「ブラジル宣教報告会」を持った。教会の諸集会の模様をスクリーンに写し、丁寧に説明された。私もブラジルでの礼拝を体験したことがあるので、映像を見ながら、教会の熱気を身近に感じた。その中にすっかり溶け込んでいる眞樹子師の姿に敬服した。

二階で持った「茶話・懇談会」では、眞樹子師がカトリックとプロテスタント、そしてブラジルと日本の「架け橋」になっているという話題になった。小井沼ご夫妻によって「ラテンアメリカ・キリスト教ネット」が生まれ、今回も解放の神学者・ホベルト神父を招き、数回の講演会を実現させた。今、教派は孤立や分裂ではなく、活動を共有するエキュメニズム(教会一致運動)が確実に求められている。