◇平和メッセージ◇
2010年平和聖日
日本基督教団 総会議長 山北宣久
在日大韓基督教会総会長 崔 栄信
韓国併合100年
今年2010年は、日本が武力をもって強制的に韓国を併合した「韓国併合」から100年目にあたります。
「韓国併合」は、天皇制を基軸とした日本の帝国主義的な野望を現実化させ、さらには「日帝支配36年」と言われる過酷な植民地支配の起点となる出来事です。強制併合と植民地支配のもとで、朝鮮半島では財産、資源、労働力の収奪が行われ、また言葉や名前、民族の自尊心、信仰の自由までが奪われました。さらに一部の人々は植民地支配によって引き起こされた生活の困窮によって日本への渡航を余儀なくされ、さらに1939年から実施された強制連行によって、在日韓国・朝鮮人の迫害と抑圧の歴史がつくられていきました。
私たちは、1910年の「韓国併合」による深い傷、そして今日にいたるまで続いている人々の長い痛みを、決して忘れてはなりません。
朝鮮戦争60年、入管法・指紋押捺問題、エフェソ書2:14−16(省略)
日本基督教団と在日大韓基督教会は、韓国併合100年と朝鮮戦争60年の節目の年にあたり、次のことを真摯に祈り求めつつ、共同の歩みを重ねていくことを表明いたします。
○ 日本による韓国併合のなかで行われたすべての不法が明らかにされ、その責任の所在が明確化されること。
○ 植民地支配の中で奪われ、傷つけられたすべての人々に対する補償が行われ、その人権が回復されること。
○ かつて朝鮮戦争の勃発に間接的に関与し、その戦争特需によって利益を得た日本という国の責任において、朝鮮半島の和解と統一が一日も早く成し遂げられるための努力がなされること。
○ 外国人を管理・排除の対象と見なす「入管法」が再び改正されること。
○ 定住外国人たちが安心してこの地に根を下ろすことができる社会を形づくる「外国人住民基本法案」が制定されること。
「愛国心」というスローガンのもと、新たなナショナリズムの風がそよぎ始めているこの日本の地で、これらの課題が成し遂げられることを、私たちは心から主に祈り求め、歩みます。なぜなら、その祈りと歩みこそ、義と平和の主によってこの日本の地に遣わされた私たちキリスト者の使命であり、私たちが住む国の平和の柱を形づくるわざであると信じるからです。