牧師室よ

 今年の平和聖日は横浜上倉田教会の加山久夫牧師をお招きして、説教と講演をお願いした。説教はエフェソ書2章から「キリストはわたしたちの平和」と題して話された。キリストは「御自分の肉において敵意という壁を取り壊し」「二つのものをひとつに」する平和を与えてくださった。キリストの十字架は敵対する壁を打ち破って、愛を持って共に生きる平和である。このキリストの平和が私たちの求める平和の出発点であり帰結点であると力説された。

 イエスの始めた愛の運動は、当時のローマ帝国内では小さな出来事であった。しかし、このイエスの愛が大きな風穴を開け、今や世界を動かしている。イエス・キリストの愛と赦しを信じる信仰が平和を作り出している例を、キング牧師、アーミッシュ、ユネスコ憲章などを引用しながら話された。私たちの周りにも、見える壁、見えない壁があるが、キリストの愛と平和を証し、実践する平和の使者として働いていこうと勧められた。

 午後の講演は「平和をつくる−友愛社会の構築へ」と題して、賀川豊彦の働きと思想を中心に話された。賀川はスラムで生活し、底辺から人間の尊厳を問うた人である。友愛の精神で、互助経済を目指して共同組合運動を始めた賀川は「わが国生協の父」と言われている。今日、政治も経済も混沌としているが、賀川が提唱した「友愛の政治経済学」は大きな示唆となると指摘された。