牧師室よ

国際基督教大学の最上敏樹教授は学内に「平和研究所」を設立し、平和研究の推進・強化を目指しておられる。「平和聖日」に平和講演においでくださって以来、「平和研究所」が出している「PEACE  REPORTS」を送ってくださっている。

学生たちを連れて、世界の各地に「平和研修旅行」をしている。学生たちの生々しい報告書を見て、このような生きた教育が将来、平和にとって大きな力になると思わされる。

今回、送られてきたレポートは、最上先生が「歴史を検証する」と題して書いておられる。2003年に米国とその同盟国はイラク戦争を始めた。口実であった「大量破壊兵器」も見つかることなく、勝利宣言後も延々と続いている。途中から「対テロ戦争」という説明になったが、「テロリスト」を掃討するどころか、「テロ」に走る者たちが増えているように見える。

この戦争は誤りではなかったかと誠実に検証している国々がある。一つはオランダである。独立調査委員会は、安保理決議によって米英等の武力行使が正当化されるという主張に根拠はなく、違法であった。オランダ政府の主張は誤りであり、外務省の国際法解釈も不安全であったと判定した。

もう一つは英国である。独立調査委員会が設置され、関係者を招集し公聴会などを開き、今も調査を続けている。どのような検証結果が出るかまだ分からない。

小泉純一郎政権は、即座に戦争支持を表明し、実戦にこそ従事しなかったが、派兵した。

最上先生は、武力行使は国連憲章で厳しく禁じられており、国際平和の基本原理に関わるものであるから、「あらん限りの知力を振り絞って検証しなくてはならない」、そして同盟国の戦争だからと駆けつけた日本も「オランダや英国のように客観的に検証すべき義務を負っているのではあるまいか。それは国際国家たらんとする国の、歴史的責務である」と書いておられる。