牧師室よ

今年は「政権交代」が大きな出来事であった。鳩山民主党新政権は必死に運営している。見えるようになった面もあるが、頼りなく思えるところもある。「友愛精神」は立ち往生することが多いようである。母親から月に1500万円も貰う人に貧しい庶民の思いが分かるだろうかと思ってしまう。

米国一辺倒からアジア重視への政策変更は評価したい。「沖縄の普天間基地は日本には不要ですから、米国内に移してください」とガツンと言ってほしい。日本軍の朝鮮、中国駐留が「占領・支配」であったように、軍隊の他国常駐は「支配、従属関係」であることは明らかである。米国は警察国家を気取って戦争を常に拡大している。真の友人として忠告するためにも、まず対等な関係を築くことである。

権力は保守と拡大のためには何でもするのが常である。権力の横暴と隠蔽を監視し、国民の安心と平和をもたらす政治に向かわせることが一人一人の責任である。そのためには何より公開性が求められる。

沖縄問題で「密約」がある、ないで議論されていた。自民党政権では「ない」と言い張ってきた。米国では「ある」とする資料が出ていた。沖縄交渉に当たっていた元政府高官が裁判で「ある」と証言し、「歴史の改竄は国民の利益にならない」と語った。そして、沖縄密約の文書の存在も明らかになった。国民は侮辱され続けてきた。

また、ある住職が共産党の広報紙を郵便受けに配布したことが「家宅侵入罪」に当たるとして有罪になった。私は賛成であれ、反対であれ、世の中で起こっていることを可能な限り知りたいと思う。その情報はどこからでもよい。商業広告のビラなら問題にならなかったが、共産党紙だから有罪になったのではないか。知る権利と知らせる権利を制限した最高裁の判決は開かれた社会の形成に逆行する。