牧師室より

吉田登さんはタイに永住して、エイズ孤児を「さんたの家」で養育している。先日、メールがきた。一人の子供を「エイズ検診」した。家族がエイズに罹っていたので、幼児検診はしていたが、再度の検診を受けた。結果は近日中に判明するが、その時の職員たちの対応を喜んでいる。その文面を転載したい。

「職員たちとの話合いのときに、次のような話が持ち出されました。
『検査した結果がHIV陽性であってもあの子は私たちが育てましょう。是非そうさせてください。エイズについて、私たちはもっと勉強をして他の子どもに感染させるようなことはしませんから。』
 職員たちは、その子の家庭環境が今は育てるのには適していないことを見ているので、感染の子どもは尚のこと帰すことはできないと思っての発言でしょう。それに、何よりも自分たちがエイズ感染の危険もあるのです。

私は胸が熱くなりました。この職員たちも、目の前に困った人がいたら避けて通らない人になったのだと。本当にうれしいできごとでした。勿論その子の検査結果が陰性であることを願っていますが。」

吉田さんは、職員たちがエイズを恐れずその子を自分たちの手で育てようと「目の前に困った人がいたら避けて通らない人になった」と喜び、胸を熱くしている。私は早速「メールを嬉しく読みました。吉田さんの思いが職員たちに伝わった証です。人の愛は伝わり、喜びを広げていきますね」とメールした。

NHKが外国に向けての英語放送で「世界を笑顔にする日本人」という6回シリーズのドキュメンタリー番組を作っている。吉田さんが、その初回に「タイの子どもたちを笑顔にする熱帯のサンタクロース」として放映された。吉田さんの心を込めた暖かい働きが世界中に知られることになり、嬉しい限りである。残念ながら、日本では放映されなかったが、年末に吉田さんはDVDを持って帰国される。その時、観る会を持ちたいと思っている。