牧師室よ

今年の特別伝道集会はフェリス女学院大学の廣石望先生を講師にお招きして持った。24日(土)の講演は「弱さでつながる社会へ」と題して話された。ここ10年くらいの間に、貧富の格差が急激に広がり、生きることさえ困難になっている厳しい状況がある。人と人の関わりが希薄になり、孤独な恐怖感が覆っている。

古代キリスト教会は社会から疎外された弱い立場の人々が食卓を囲み、共に食事し合うという暖かい交わりから出発している。「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣く」という弱さでつながるダイナミックな関係であった。人間の信頼関係を豊かに培うこのような「タメ」を作る必要性をご自分の様々な体験から語られ、また、教会は支え合うセーフティーネットを作っていくところに使命があるのではないかと訴えられた。

25日(日)の礼拝説教は、パウロが書いた第二コリント3章18節から4章6節までのみ言葉から「キリストと同じ姿に」と題して語られた。私たちは誰でも変身願望を持っているが、パウロはキリストと同じ姿に変えられると告げている。キリストは神でありながら人となり、十字架の死に至るまで降られたが、復活し天の神の右に座られた。身分の変身をしておられる。そのキリストは神の姿を映し出してくださった。私たちはキリストを通して神の栄光に輝く光を与えられ、霊の働きによってキリストと同じ姿に作り変えられていく祝福の中に置かれている。

人間は疑いと信頼が交差する世界に生きている。疑いの中で卑劣な行いをしたり、悪賢く歩む時もあるが、それは、この世の神(サタン)が栄光の光を見えないようにしているのである。信頼の中で、憐れみを受け「闇から光が輝き出よ」と宣言された神がキリストを通して「神の似姿」に回復してくださる。神の似姿への回復は隣人に仕える生き方へと変えられていくことであるとインドの貧しい人々を献身的に支援している方を例証しながら、キリストにある変身の豊かさと喜びを説かれた。