◇牧師室より◇

例年の横浜磯子教会壮年会との合同研修会を持った。

N.N兄が「詩編23篇」について話された。1節ずつをヘブライ語から訳し、丁寧に説明し、ご自分で納得のいく「N私訳」を披瀝された。そして、ヘブライ語で美しい響きで書かれていると言われている23篇を朗々と朗読された。神学校で、旧約聖書釈義の講義を聴いているようで、良い学びになった。

横浜磯子教会の副牧師の鳴坂明人牧師は関東学院六浦中学・高等学校の聖書科の教師で、父母を対象にした「聖書の学びの会」を持っておられる。その「学びの会」で語られたマルコ福音書1228節〜34節の「最も重要な掟」をT.T兄が紹介された。父母を対象にした分かり易いお話であった。

S.TD兄が「イスカリオテのユダ」について話された。4つの福音書から、ユダに関する記述を取り上げ、その扱いの違いを詳細に分析された。時代が下がるごとに、ユダは悪者にさせられ、神からの神罰を受けた者とされている。教会は時代を追うごとにユダを軽蔑、侮辱することによって、自らを主イエスを愛する信仰深い者として正当化していったのである。世々の教会はしばしば、ユダに対してしたように、その時代の教会にとって受け入れ難い者を憎しみに燃えて排除する間違いと高慢を繰り返している。私はユダを侮辱するどころか、ユダの中に「私」を見、ユダが赦されなければ、私も救われないと悩み続けた。カール・バルトの「イスカリオテのユダ」を読んで安心させられた嬉しい記憶がある。ユダの実像は定かではないが、主イエスを十字架の死に「引き渡す」務めを負わされたことは確かであろう。

最後にS.TN兄が、横浜磯子教会の会堂建設の現状について報告された。長い時間をかけて話し合ってこられた。ようやく、結論を得て、いよいよ着工し、来年の教会創立45周年の記念礼拝は新会堂で捧げるとのことである。鉄鋼と建材の高騰で、悩まれたらしい。細やかに検討された木造3階建ての教会堂の図面を見せてもらった。完成を祝う日を待ちたい。募金依頼を強く訴えられた。私たちの教会は横浜磯子教会の祈りと支援を受けて生まれてきた。可能な限り支援していきたい。