◇牧師室から◇

S.K姉が急逝された。5月に心臓が悪いということで入院された。手術ではなく、投薬で治したいと言っておられた。その後の検査で手術を受けることを決断された。その準備をしている途中、感染したらしい。適正な治療をして手術に臨む予定であった。ところが、15日(金)の午後、容態が悪くなったので、病院に来てほしいという電話を受けた。胃から出血したらしく、人工呼吸器をつけ、輸血と点滴を受けている重篤の状態であった。枕元で、神さまに委ね、回復を待ちましょうと言って祈って帰った。翌日の夜、亡くなったという電話を受け、病院に急いだ。美しい顔で、平安に眠るように召されていた。心臓の手術は難しい手術ではないと聞いていた。感染症は想像できないくらいの速度で悪化したのであろう。ご家族も私たち教会員も驚き、戸惑うばかりのご逝去であった。

Sさんは、私たちの教会設立に大きな働きをされた。家庭集会のためご自宅を開放してくださった。土地購入のための手配、また、教区や地区の諸教会に出かけ、港南台地域に教会が必要であることを訴え、支援をお願いして回った。待望の伝道所の開所式まで辿りついた後も、役員として、教会形成や会堂建設にも、中心になって尽力くださった。教会の形が見えない時から、それこそ土台になって支え、導いてくださった方である。

S姉は優しい方で、その優しさに触れなかった人はいないのではないか。受けた親切を感謝している話を幾人からも聞いた。70歳を過ぎた頃から、若い人に譲りたいと奉仕から徐々に引かれるようになった。物事を的確に捉え、それに責任的に関わってくださった。

お母さんと同居された時、お母さんは「あんたが嬉しそうに教会に行くので、どんな良い所かいっぺん行ってみたい」と言われ、教会に見えるようになり、洗礼を受けられた。礼拝を守ることを大事にされ、出会う一人一人に親切を尽くされた。

Sさんは、私たちの教会にとってなくてならない人であった。その方の急逝は大きな悲しみで、神さまなぜと問いかけてしまう。しかし、神の御手の中でのご逝去であると信じ、神を崇めようと思う。