牧師室より

私は「港南台9条の会」の世話人会に加わっている。毎月、10人ほどが集まって、平和に関する話し合いや情報交換をする例会を持っている。89日(土)の例会と夕方行われた宣伝活動のことについて報告したい

89日は「長崎原爆記念日」で、16歳の時、長崎で被爆した方が体験を話してくださった。雷が光って鳴ると被爆時の閃光と爆音と重なり、今だに身がすくむという話から始められた。勤め先から自宅まで、誰もいない死の町と化した焼け野が原の不気味さの中を帰宅した。そして、幸いにも生き残った家族は、それ以後、死と隣り合わせの日々を送った経験を話された。「戦争はイヤだ」が実感で、これからは被爆体験を話していこうと思っていると括られた。

続いて、原水禁広島大会に参加した19歳の二人の青年が報告した。一人の青年は大会の動きを順序を追って説明してくれた。初めての参加なので、まだ十分に整理して受け止められないようだったが、平和に対する人々の熱意に心が揺れたようだった。もう一人の青年は大会で学んだことを率直に話された。日本は原爆の被害国であるが、戦争の加害国であったことを知る必要がある。また、憲法は権力者を規制するために機能するものである。そして、彼自身の言葉で、平和は隣りにいる人と話し合う具体的な出会いから始まるのではないかと話された。若い二人の青年の報告は嬉しいものであった。

「港南台9条の会」は例会の日の夕方、港南台駅前で宣伝活動をしている。土曜日の夕方なので、申し訳ないが、私は参加していない。伝え聞く報告によると、下記のような妨害が起こった。いつものように「港南台9条の会」の旗とポスターを掲げ、会のニュースを配り、マイクで平和を訴えていた。そこへ、一人の青年が来て、活動をしているメンバーと言い合いになった。彼は「軍隊を持たない国は現実的でない」と9条の改定を訴えた。その内に、だんだん興奮して、ポスターを破って道に投げ捨て、メンバーが持っていたペットボトルを取って投げつけて衣服を汚した。そして、マイクを蹴飛ばしてへこましてしまった。あまりに暴れるので、二人で押さえつけると「お前らのやっていることは国を滅ぼすことだ」と叫んだ。警察に来てもらい、事情聴取を受け、被害届けを出した。妨害事件を起こしたのは24歳の地元の青年だそうである。暴力に訴える風潮が身近になってきている。