牧師室より

「信徒の友」の8月号は「平和の祈り 日本のこれからと私たち」を特集している。Y兄のお母さんのE姉は、沖縄・美里教会の牧師の妻として教会に仕え、音楽教育にも携わっておられる。そのE姉が「信徒の友」に「キリストの平和を信じて 日常を覆う戦争の影、日毎に祈る『今日の無事』」と題して寄稿しておられる。

美里教会は沖縄最大の嘉手納米軍基地から1キロと離れていない。戦闘機のタッチ・アンド・ゴーの訓練が行われ、爆音は凄まじい。防衛庁から防音工事の申請を出すようにとの通知がきた。これを聞いた二番目の息子(N兄)は「防音工事をしたら、基地はいつまでもいて良いということになるから、工事はしない方がいいよ」と言ったという。この一言で、美里教会は防音工事の申請を出さなかった。戦闘機は、教会の屋上の十字架を目標にして、その真上を斜め旋回して基地に戻るそうである。人を殺し、建物と自然を破壊する戦闘機は「共に生きよ」と平和を示した十字架を目標に訓練しているというから、こんな矛盾はない。

E姉は、毒ガス移送時と911事件で緊張した時、生命の危機を感じ、覚悟というものを経験したと書き、最後に「『今日も一日、この地域が無事でありますように』というのが日毎の祈りです。」と結んでおられる。沖縄に過去、現在、将来に渡って、こんな理不尽な状況を押しつけ続けている。