牧師室より

新聞やテレビ報道を心して見ようと心がけているが、最近は見たくない報道があまりに多い。

ある日の夕刊のある一面に下記の報道があった。@イラクのバグダッドで爆弾テロがあり、死者は少なくとも60人、負傷者は130人以上とカラー写真入りの報道。Aインドで特急列車が炎上し、60人以上の死亡、50人が負傷した。テロの可能性が高いとのこと。Bタイ南部の30ヶ所で爆発や放火や襲撃が起き、7名は死亡、50人以上が負傷した。テロの収まる兆しはない。Cアフガニスタンで駐在米軍の大型練ヘリが墜落し、8人が死亡、14名が負傷した。米軍はエンジン故障と言い、タリバン勢力は「撃墜した」という報道。Dロシアのサンクトペテルブルグのマクドナルド店で爆発が起き、少なくとも6名が負傷し、病院に運ばれた。Eソマリアでは暫定政権とイスラム勢力の交戦が続き、難民は対岸のイエメンに死の脱出を試みている。昨年の死者・行方不明は700人、今年2月に260名を乗せた二隻の小型船が出航したが、イエメン当局に捕まるのを恐れ、乗船者を無理やりに海に飛び込ませた。そのため浜辺まで泳ぎつく者もいたが、女性や子供たちは力つきて溺死したという。

これらが一面に凝縮されて報道されていた。世界は怒りと悲しみと恐怖で満ちている。私たちは最良の医療と最善の看病をしても、家族の死に見舞われる時、耐えがたい悲しみを持つ。理不尽な死を強制された人々の無念さと家族の悲しみと怒りは計り知れない。

これらの争いはイスラム教徒たちの関わりが深い。私はイスラム教徒との出会いは少ししかない。彼らは誠実でやさしい人々であった。フィリピンで出会ったイスラム教徒の女性は素晴らしい方であった。私は彼女に「イスラム教の教えの中心は何ですか」と問うた。彼女はモーセの十戒の第一戒「あなたには、わたしをおいてほかに神があってはならない」という教えであると答えた。確かに、彼女の言葉と振る舞いは神のみを神とする教えに従う謙遜さと柔軟さで私たちクリスチャンを受け入れ、お世話してくださった。

しかし、一部のイスラム教徒たちは世界のあり方に大きな怒りを持っている。この怒りは力では抑えられないのではないか。