牧師室より

横浜本郷台伝道所の依田駿作牧師が急逝された。13日(水)の午後3時過ぎ、K姉から「依田牧師が亡くなられた、栄共済病院で。詳しいことは、後で連絡します」という電話を受けた。私たちは直ぐに病院に行った。依田牧師は神様とまみえているかのような平安な顔で召されていた。午前中、定例の聖書講義をされた後、帰宅され、心臓発作を起こされた。少し遅れて帰宅された奥様の康子先生が救急車で病院に運ばれたが、間に合わなかった。過労、心労が重なったのではないだろうか。

依田牧師は「戦争責任告白」を出した鈴木正久牧師の元で献身された。鈴木牧師の信仰を受け継ぎ「戦争責任告白」を忠実に担ってこられた。私は依田牧師と個人的に親しく話をする機会を得なかった。しかし、依田牧師の生き方を見、また諸々の発言を聞いて、この牧師について行きたい、政治的な駆け引きをすることなく、福音に従う真っ直ぐな方であると思ったからである。

本郷台伝道所を開こうとされた時、教会の了承を得て、関係教会になりたいと申し出た。「バンザイ訴訟」を起こされた時も、しんがりではあるが、最後までご一緒させていただいた。依田牧師は人権と平和を守り、弱い立場に置かれている者の徹底した仲間であった。それは渡辺英俊牧師の式辞、7名の方々の感話や弔辞によって、また多くの会葬者によって明らかに示された。

私たちの教会は渡辺牧師、故内藤協牧師、依田牧師の三人が中心になって、多くのご苦労の末、開所式をすることができた。私たちの教会で、私も司式に用いられ、依田牧師の葬儀をさせていただいたことを本当に感謝し、光栄に思っている。

依田牧師は激しい闘いの中でも、笑顔を絶やさず、少数者に味方された。誰にも媚びず、福音に従う真摯な姿勢であった。「主に結ばれているならば自分たちの労苦が決して無駄にならないことを、あなたがたは知っているはずです」とのみ言葉の通りに生き、エリヤのように天に帰られた。