牧師室より

今年は災害の多い年であった。日本に上陸した台風が10個もあった。例年にない強風と豪雨で死者が200人を越えた。温暖化のことがしきりに言われる。私の読む限り、専門家はまだ温暖化であると断定できないと言う。異常気象は日本だけでなく、世界的に起こっている。巨大な台風、豪雨、そして逆に異常旱魃など、素人目には地球規模の異変に思える。南の島々は海水が上昇し、島が水没すると案じられている。生態系も変わってくるだろう。経済の上昇だけを求める人間のせいではないのか。私たちは少なくとも無駄なエネルギーを使わないことである。

新潟県中越地震は大きな地震であった。40人を越す方々が亡くなられた。家屋が倒壊し、交通が遮断され、水田が亀裂し稲作ができなくなったり、村中で離村しなければならないケースもあり、生活基盤が侵されている。被災者は本当に気の毒である。暗闇で92時間、耐え抜いた優太ちゃんの生命力には感嘆した。お姉ちゃんとお母さんが生きてくれていれば、どんなに嬉しかったかと思う。

東海地震、関東直下型地震が近いと言われている。地震災害は他人事ではない。教会を建てる時、堅い地盤に驚いたが、写真で報道された地割れの被害を見ると、活断層に当たればひとたまりもないだろう。

そして今年は、私の周りで逝去された方が多かった。私たち夫婦の母たち、教会関係者、個人的知人など十数通の訃報通知を受けた。最後の通知もショックであった。前任の熊谷教会で、役員として中心になって教会を支えていた67歳の方が急逝された。運動している時に倒れ、救急医療をしたが、帰らぬ人となった。愛する者との別れにも、天での再会を信じる者はなお慰めがある。

人の心が殺伐としてきたことを痛感する。社会全体の不安と苛立ちが人をしなやかに受け入れ、関係を深めようとする気持ちに欠けてきた。過激な競争原理が深いところで影響していると思うが、人を愛することによって、自分自身が生かされることを体得していきたい。主イエスの生と死において現された福音に与る人間はどのように生きるのか、新しい年も問い続けたいと思う。