◇牧師室より◇

 今年度、二回目の「教会全体研修会」を持った。一回目は「教会生活の充実と宣教」をテーマにし、今回は「開拓伝道、地域の人々への宣教、対外支援」の3つをテーマにした。午後12時半から5時半まで長時間熱心に語り合った。私たちの教会は新興住宅地にあり、教会が求められていた。求めていた人々が集まり、急激に成長したため、教会員同志の交わりが希薄なところがあった。研修会は長時間であったが、話し合いによって互いを知り合う機会にもなっただろう。また、私たちの教会ほど、諸々の教派で信仰を得た人々が集っている教会も珍しい。信仰理解、教会観も多様である。とにかく、話し合いによって合意を得て進めてきた。牧師会などで教会の事情を話すと「まとめるのに大変でしょう」と同情される。私は無理にまとめなければならないとか私の考えを押し通そうなどとは思っていない。話し合いの中で必ず合意が得られ、その過程で信仰的成長が与えられると信じてきた。

 プレハブの仮会堂であったので、会堂建設が目前の目標であった。それを2年前に完済した。完済の数年前から、これからの宣教について話し合いを積み重ねてきたが、今年度の二回の研修会で問題点を煮詰め、具体化していきたいと考えている。

 前回のテーマの「教会生活の充実と宣教」でも色々な意見が出され、今それらを集約している。

 今回のテーマの「開拓伝道」は当初、私たちの教会のような地域に根ざした新しい開拓伝道をしようと決議した。ところが最近、他の方法もあるのではないかと意見が出されている。時代の要請に応じる、また私たちの教会(近隣教会との連携を含む)で可能な伝道を模索していきたい。「地域の人々への宣教」は、まず教会にどのように関心を持ってもらうかであろう。「開かれた教会」とは教派的伝統に拘らない、教会用語ばかりでないということが基本である。教会は残念ながら敷居が高いと言われる。日本人の中に浸透してこなかったのだから仕方がない。私は、世の中で起こっていることをダイレクトに話題にできること、また初めて教会に来た人が、自分の抱えている問題をここで話せるということが「開かれた教会」の内実であると思っている。「対外支援」はとにかく頑張りたい。恵まれてきた教会であるから、他のために大いに献げ、支援する教会でありたい。

 二回の研修会で出された色々な意見から、できないことは断念するしかないが、できることを大胆に実践していきたいと願っている。