◇牧師室より◇
プロ野球の近鉄とオリックスが合同するというニュースが報じられている。パシフィックは経営不振らしい。スポーツの趣味が多様化し、野球人口も減少しただろう。私は「管理野球」と言われるものが流行し始めた頃から、野球に興味を失った。ダイナ二ズムが失われ、個性がなくなった。個性ある選手は大リーグに行く。それにしても、彼らの活躍をニュース番組であれほど報道しなければならないものだろうか。
野球人気が落ちた遠因は読売・巨人のやり方にあると思っている。大選手を札びらで買い集め、面白くなくした。「私はアンチ巨人」だという人がいた。巨人が負けることを期待して巨人戦を観る。勢い巨人戦は多くの観客が集まる。私は「アンチ巨人は巨人ファン」になると「アンチ巨人」になることも止めた。
1リーグ制で巨人戦によって関心を呼び戻したいらしいが、巨人戦によってしか人気が保てない野球はもはや衰退しかないだろう。
私には、野球はどうでもよいが、社会のあり方が球団と同じ軌跡を辿っているのではないかと大いに危惧している。強い者の一人勝ちは社会のバイタリティーを失わせていく。強い者に群がって一方向に走るのではなく、小さく弱い者がしっかり存在する社会が健全である。多様性が尊重されるところで、安心と平和が作られていく。