◇牧師室より◇
神奈川教区総会が開かれた。種々の議案が議決されたが、その中の二つの議案について、皆さんにも内容を知っていただきたく報告したい。一つは教区常置委員会が提案した「自衛隊のイラク派遣に対する即時中止を求める声明」が可決された。イラク攻撃の不当性を述べ、声明文の末尾は下記の通りである。「我々は政府の暴挙を座視することはできない。小泉政権による憲法
9条の実質的な廃棄を許すことができない。また、権力保持に汲々とする為政者の都合で自衛隊員を危険にさらすことは看過できない。我々は政府に対し、自衛隊のイラク派遣を即時中止するように要求する」。これを、神奈川教区総会の名で内閣総理大臣 小泉純一郎殿宛に送った。もう一つの議案は、紅葉坂教会の北村慈郎牧師が提案した「沖縄教区との関係の回復を図る件」である。一昨年、行なわれた教団総会で「日本基督教団と沖縄キリスト教団との合同のとらえなおし」に関する議案は審議未了廃案となった。これに抗議して、沖縄教区常置委員会は、「しばらく教団との関わりに距離をおこうと考えています」と表明した。その後、教団常議委員会は、沖縄教区の抗議表明に対し適切な対応をしてこなかった。それでは、本土の教会と沖縄の教会の将来に禍根を広げることになりかねない。北村牧師が提案した「神奈川教区常置委員会は、このような事態を打開するために速やかに沖縄教区との関係の回復を図る施策をとること、また各教区及び常議委員会に同様の働きかけをすることを決議する」という議案を、教区総会は可決した。
二つの議決は、人権を守り民主主義を育てるために平和を実現する、理不尽に扱われた沖縄と連帯し、苦悩を分かち合う、という決意である。強く大きいものに身を寄せ、貧しく小さくものが顧みられない昨今の情勢の中で、キリストの福音を信じ、従う教会は時期を得た発言と行動が求められている。