◇イラク人の投書より◇

愛する日本の友へ

モハメドハッサン

        在バグダッド

 私はバグダッドで高校の教師をしています。空手と日本語を学んだことがあり、日本そして日本人を尊敬しています。

 でも、日本の軍隊が米国の侵略を手助けするためにやってくると聞いたときは、とんでもないニュースだと思いました。私はフセインを決して支持しませんでしたが、米国という武装強盗も同じことです。米国は今でも連日のようにイラク国民を殺害し、普通の市民は誰も彼らを支持していません。現在、日々多くの国民が抵抗運動に加わっています。彼らは「テロリスト」でもなければ、旧体制の残党でもありません。ごく一般の人々です。

 もし日本でも、どこかの国が侵略したら国民はどう行動するか、考えてみて下さい。まさに、その場合と同じことがイラクで起きているのです。イラクは、再建すべき国ではあっても、侵略すべき国ではありません。

 米国の侵略同盟軍として、イラクに来ないで下さい。イラク国民は日本を尊敬していますが、もし日本の軍隊が来るなら、日本はイラク国民ならず、回教徒全体の敵になるでしょう。イラク国民は、日本に深い絶望感を覚えるはずです。あなたがたの国は、回教徒を敵に回さなかった主要国ではありませんか。米国を支持しても、日本人の生命を含むあらゆる損失に見合うものでは絶対にありません。私たちイラク国民は侵略者たちが去った後にいらっしゃるなら日本を歓迎しますが、今は来て欲しくないのです。

 どうか、私たちイラク国民の日本人に対する本当の想いを伝えさせていただきたい。日本の軍隊は、イラクに来るべきではありません。私は本当に日本を愛しています。だからこそ、お願いですから私たちの敵に日本がなってほしくないのです。日本が、独立した国家として正しい決断を下していただくのを希望いたします。

(「週刊金曜日」より転載)