◇牧師室から◇

 イラク占領軍に対するゲリラ攻撃は日増しに高まっている。米英軍のイラク攻撃による一般住民の死者数について、あるNGO7,000人余り、AP通信はかなり少なめと断って3,240人という調査結果を出している。湾岸戦争の時の3,000人を上回っている。負傷者は2万人を越す。これにさらに、軍隊構成員の死傷者数は万単位で加算される。

 ブッシュ大統領の「勝利宣言」の時、米兵の死者数は115人と発表された。その後のゲリラ攻撃によって、2倍以上の死者が出ていることは確かである。6,000人が医療的理由により後送され、そのうち1,500人が重症を負っている。身体的損傷だけでなく、精神的外傷を負って帰還した者も少なくない。

 「週刊金曜日」にイラク帰還兵の内部告発インタビューが匿名で報道されている。「30人以上の部下たちが、私の腕の中で、息を引き取ったよ。そして、100人以上の兵士たちが負傷して運び出され、そのまま帰ってこなかった。… ある部下は、砂漠の中で撃たれ、私の腕につかまりながら、『死ぬ前に娘の顔を一度だけでも見たかった』と言って死んだ。… あなたたちが想像できる以上に(残酷なことが)何度も起こった。残虐な殺人が繰り返された。悲惨すぎるよ。… イラクは、だんだんベトナム戦争と似てきた。私の父はベトナム戦争から帰ってきたとき、私は12歳だった。父は残りの人生を苦しみもだえて過ごしたよ。今の自分は、あのときの父とそっくりだ。… 貧しい階級の子弟を殺しているんだ。… 貧しい若者を血まみれにして、チェイニー副大統領やハリバートン社はボロ儲けしている。… アメリカ人よ、目を覚ましてくれ!あなたの息子や娘たちは、イラクで犬死をしているんだ。この戦争は自由のためでの戦いでも、テロ防止のための戦いでもなんでもない。われわれ兵士は、石油のために死ぬ。強欲な大企業のために死んでいくんだ!われわれ米兵をみな、米国に戻してくれ!

 戦争は人殺しだから、確固たる理由がなければ戦えない。理由を見出せない米兵のうめきは真実であろう。このイラクに自衛隊を派遣することは命の危険や憲法違反だけでなく、将来の歴史からも断罪されよう。