◇牧師室より◇
教会創立
23周年記念礼拝の説教と午後の宣教に関する講演に戒能信生牧師をお招きした。説教ではパウロの最初のヨーロッパ伝道になったフィリピの開拓伝道から話された。紫布を商うリディアという女性がパウロの説教に心を開いた。彼女は夫や家族に相談することなく洗礼を受け、また自宅にも招いた。職を持つ自立した女性であった。女性を家の中に閉じ込めていた男性中心のユダヤ社会で生きてきたパウロにとってリディアは初めて会う主体性を持つ女性であった。パウロは「キリストに結ばれたあなたがたは皆、(中略)ユダヤ人もギリシャ人もなく、奴隷も自由な身分の者もなく、男も女もありません」と書いているが、リディアとの出会いが「男も女もない」と認識させたのではないか。異文化との出会いが自己変革をもたらす。絹川久子氏のいう「相互行為的相互関係」であろう。伝道は宣べ伝えることだけでなく、他者との出会いによって古い価値観から解放され、新しい生き方に変えられていくことでもある。私自身、多くの方から学び、変えられ、砕かれてきた。午後の講演会は、日本基督教団の伝道の特徴と現在の困難な状況から話し始めた。そして、K兄がまとめた港南台教会の過去のデーターをもとに、第三者の目で見た分析と報告をしてくださった。転入会者によって成長してきたこと、高齢化していること、成長が横ばいになっていること、地域の人々が集まっていることなど、私たちも認識してきたことではあるが、数字から現状を改めて追認させられた。
戒能牧師は今後の課題として以下のことを強調された。@
ローカル教会であるから、地域社会の伝道と牧会が中心的な課題になる。A 若い世代への信仰の継承を課題とする。B 海外教会の宣教や課題を担う支援をする。C 教団は新しい開拓伝道をする力を失っているが、だからこそ新しい開拓伝道が求められている。港南台教会に期待すると励まされた。私たちの教会の受洗者率は
28%で、教会から離れていた方々の復帰を含め、他教会からの転入会者によって成長してきた。積極的に他に仕える教会になる責任と使命がある。23周年を期して、地域への地道な伝道と共に、新規開拓伝道の夢を追う第一歩としたい。