◇牧師室より◇
クリスマスおめでとうございます。今年のクリスマスは教会での受洗者、転入会者、信仰告白者が与えられず、少し残念である。しかし、N姉のお姉さんのKさんが、病床洗礼を受けられた。
N姉から、お姉さんは末期癌の病床にあるが、受洗を希望しているという電話を受けた。入院している荏原病院を訪ね、Kさんにお会いした。すっきりした晴れやかな顔で、ベッドに座って迎えてくださった。すい臓癌が肝臓などに転移して体が不自由になっているが、痛みのないことがありがたい、また医者から病状をはっきり聞いて残された日の少ないことも知っていると話された。本当に落ち着いた振る舞いと言葉で、ご自分の人生に満足し、納得しておられると思った。
受洗への思いを伺った。子どもの頃、近くの銀座教会の教会学校に通っていた。また、N姉の信仰生活を見ていたのであろう。今、神を信じて洗礼を受け、その神にゆだねて最後の時を過ごし、天に行くことを強く望んでおられた。この病床で洗礼式をしましょう、その準備に二回ほどお訪ねしますと約束した。聖書が告げる「神の命」について語り、祈った。すると「お腹に手を置いて祈ってください」と言われた。お腹に手を置いて再度、祈った。
病床を三度訪ねた。私は今までの経験から、死を見据えた人には真っ直ぐな話が聞き入れられると思っている。聖書が証する全能の神、愛の神、そしてイエス・キリストの贖い、永遠の命について、真っ直ぐに話した。その言葉を受け入れ喜んでくださった。Kさんは朝目覚めた時「今日、一日をお守りください」、夜寝る時「今日のお守りを感謝します」と祈っていると言われる。教会員四人が立ち会って、神に向かって生まれ変わる嬉しい洗礼式を行なった。