◇牧師室より◇

 「バンザイ訴訟の会」は裁判の状況を伝える「ニュース」を継続的に出している。敗訴を受けて400字の感想文を求められた。「神的天皇制にあくまで『否』」と題して下記のように投稿した。

 「裁判長が聞き取れないような小声で判決主文を読み上げ、逃げるように退廷した。ものの56秒だった。唖然とした。原告の一人としてしんがりを歩んできた私の感想を三点述べたい。

 まず、弁護士の方々に心から感謝を申し上げたい。天皇制に関わる膨大な資料を集め、その実態と作用を調べ、この天皇祭祀に公人が参与することの違憲性を見事に論述してくださった。高い見識と情熱に敬意を表します。

 二点目は、言葉の無力さを痛感させられたことである。現憲法下、世界第二位の軍事力を持ち、有事法制化が議論されている。法の文言は時代を制する者たちによっていかようにも解釈されている。人間の基本的な尊厳を守る「政教分離」原則も同じく捻じ曲げられている。

 第三点は、私にとって天皇制を問うことは『私』であることを確認することである。天皇制が神的価値をもって人間を物化・奴隷化する力に対し、あくまで『否』を言い続ける。」