◇牧師室より◇

 小井沼宣教師ご夫妻のサンパウロ福音教会から毎月、週報や印刷物が送られてくる。今月は、眞樹子師が中心になって始めた老人介護のデイ・サロン「シャローム」の会報が同封されていた。一昨年の夏、S姉が顔を紅潮させて、福祉に関する講演をし、介護の実習を指導された。あの時は何もなく、希望だけであったが、今や芽が出て葉が茂るほどに成長している。利用者12名(時々お客様あり)、調理班6名、活動班9名、他に交代のボランティア6名が、一つの家族のようによく話し、よく笑って楽しい時を過ごしているらしい。

 利用者「早苗」という方の俳句を載せている。「春風のごときシャロームデイサロン」「おみやげのお手玉おはじき老の春」「木の葉髪ふる里遠くひとり住む」「キンピラゴボウーめっきり好きに異人妻」

 「寝たきりを防ごう」という四コマ漫画も掲載し、色々な健康管理も大切だが、オチは「でも、一番のヒケツは生きがいや楽しみをもって心の寝たきりを防ぐことだね」と締めくくっている。

 眞樹子師は、いのちを尊ぶ21世紀を期待したが、同時多発テロ事件後、報復戦争へ向けての世界の動向に心痛め、次のように書いている。「私たちは小さなグループですが、『シャローム』の名のように、この世界の悲しむべき暴虐に対抗して、ここに平和ありという証しを立てていこうではありませんか。どんな小さいいのちも神様によってこよなく愛されている尊い生命です。(中略)世の中が暴力に向かって突き進んでいる今日こそ、人生の最後までお互いを尊び合う『シャローム』を、皆さんと一緒にしっかり守り育てていきたいと思うことしきりです」。

 先日ご夫妻に電話した。マナウスにおられる堀江神父が東チモールに派遣され淋しくなるが、「ブラジルの大地にしっかり足をつけて頑張りたい」とお二人の元気な声を聞いた。