前塚見山

岩手県北上市の国道４号線から夏油高原スキー場へ向う。入畑ダム入口を右にみてトンネルをくぐり、ダム湖に架かる夏油大橋を渡った直後の左カーブから右の道に入る。舗装された道を２００ｍ進むと左に広い原野がある。この先は砂利道の林道になり、約１．１ｋｍ進むと左側の立木に赤テープが付いている。この場所が前塚見山の登り口になる。とは言っても、登山道があるわけではない。林道はこの先３００ｍぐらい進むと路盤が崩れて車は通行できない。３月に林道を歩いて下見をしてみたが、林道を奥に進むほど左手に見える前塚見山の斜面は急になる。一番登り易そうなルートだな・・と思った場所に赤テープが付いていた。(この場所に駐車場は無い、付近に１～２台可)

９：３５分　　林道出発
　前塚見山から南に伸びる尾根に向って急斜面を登る。林床にはササ藪がほとんどないので比較的登り易い。
９：４７分　　尾根の上着
　尾根の上はブナやナラの森だが細い木ばかり、伐採跡の二次林なのかもしれない。部分的に笹薮が見えるが、視界を遮るほどではない。３０度前後の急斜面を登って行く。

１０：０２分　　石積の跡着
　急斜面の尾根の途中に水平方向に並んだ石垣が現れた。幅３ｍ弱の平坦な通路を挟んで積まれた石垣、どうやら林道の跡らしい。西の方から延びてきて、東側は行き止まりになっている。路面にはササや雑木が生えているから、廃道になってから２０年ぐらいは経っているかもしれない。
１０：１１分　　二つ目の石積着
　雑木の枝につかまりながら急斜面を登って行くとまた石垣が現れた。こちらも東側は行止まりになっていて下の林道とはつながっていない。伐採作業のために作られた作業道なのだろうが、使い捨ての作業道をわざわざ石積までして作るとは・・予算がたっぷり有ったバブル時代の遺構といったところだろうか。

１０：３０分　　小ピーク着
　山頂から南に伸びる尾根の中腹に小さいピークがある。急斜面の途中にあるなだらかな広場。ブナ林の中、藪も薄く腰掛けて一服するにはもってこいの場所になっている。ここまで目印らしいものは見つけられなかったが、ここから先には古いテープが尾根伝いに付いている。この先は尾根が狭くなり一段と勾配がきつくなる。尾根筋にある獣道を辿って登ってゆくと兎が飛び出してきた。すでに冬毛に生え変わり真っ白、首の後ろに少しだけ黒い毛が残っている。２０ｍほど先で立ち止まりじっとしている。写真を撮っても良いよ・・とでも言っているかのよう。カメラを向けてみたが遠すぎて写りはイマイチだった。
　痩せ尾根からは南東方向の展望が開けている。しかし夏油高原スキー場方面は、木々の枝を透かしてわずかに見えるだけ。コースを通して南西方向とオガラ森山方面の展望は開けない。

１１：１２分　　前塚見山山頂到着
　背丈ほどのササ藪に覆われた山頂に到着。プレートは見あたらなかったが、三角点は直ぐに見つかった。そしてすぐ脇には半分抜けかけて傾いた三角点石柱もあった。こちらの傾いた石柱は何だろう？三角点の周囲１ｍほどはササが生えていない様子を見ると、登ってくる登山者がけっこういるのだろう。しかし予想していたとおり、ササ藪に遮られて展望は全くない。山頂から北東方向に尾根を少し下って行くと、東側が切れ落ちた尾根の上から北東方向の展望が開ける。北方に岩手山、姫神山、東に早池峰山方面が良く見える。近くのダケカンバに登って見ると秋田駒ケ岳、和賀岳、そして仙人山とその遠方に真昼岳と女神山も見えた。
１１：４５分下山開始。１２：０８分小ピーク通過。一本尾根の南斜面を下る・・が途中で赤テープを見失ってしまった。急斜面の一本尾根に刻まれた、小さなひだの様な小尾根に入り込んでしまったらしい。登りの時に一本尾根だから・・と、テープの間隔を広くし過ぎたのがいけなかった。前塚見山の東斜面には林道が走っているので、左寄りに下れば問題はない。急斜面を慎重に下って登り口よりも３００ｍほど奥の林道に下山する。１２：５３分登り口に戻る。