四枚平山をネットで検索しても登山に関する情報は出てこないが、1/50000地図には西和賀町から登山道らしき破線が伸びている。四枚平山(しまいびらやま)というちょっと不思議な山名に引かれて登ってみようと思い立った。6月に林道を下見してみたが、地元の方の話によると今は登る人はいない・・・ということだった。藪こぎになるということで、木々が落葉したこの時期を選んで挑戦してみた。

 岩手県北上市から国道107号を西和賀町へ向う。西和賀町で県道1号に入り盛岡方面へ北上する。左に猿橋小学校を見て約700m進むと右に入る道がある。「泉沢、長瀬野→」の案内表示に従い右折する(ここまで国道107号から約18.4km)。和賀川にかかる八年橋を渡り集落に入るとT字路に行き当たる。このT字路を右折、そして次のT字路は左折して進む。県道1号から約1.7km地点のY字路は左に進むと後は一本道になる。    
最後の民家を過ぎると未舗装の林道になる。七内川沿いの道を、Y字路から約5.2km進むと林道が分かれる。四枚平山へは右の林道を進む事になる。地図を見ると林道はこの先500mぐらいで行き止まりになるらしい。この先の林道は路肩が荒れているので、この場所に車を止めて歩くことにする。(駐車スペースは乗用車2〜3台)
四枚平山
所在地  岩手県北上市、西和賀町境界
標 高   824.0m
2008年11月11日(火) 晴れ
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えんど
四枚平山の風景
(縮小画像です、クリックすると拡大します。1000〜800ピクセル、ファイル容量は約130〜270kb)
山頂三角点
山頂のブナ林
水苔がびっしり貼りついたブナ
二重稜線と湿地
ブナの森
熊の爪あと
四枚平山へ→
集落を過ぎて林道を進む ↑
林道の分岐、ここに車を止めて歩く ↑
9:00分  林道分岐出発
 左に沢の流れを見ながら、霜が降りて一面真っ白になった林道を進む。300mほど進むと林道は崩壊していて車はこの先進めなくなる。
9:11分  林道終点着
 荒れた林道の終点に到着、ここで沢が左右に分かれている。地図を見ると登山道らしい破線は沢の間の尾根を登っている。藪の薄い左の沢沿いに進んで尾根に取り付く。急斜面を登って尾根筋に出ると登山道があった。少し荒れ気味だが踏み跡はしっかり着いている。(下山の時に確認してみたら、右側の沢に登山道の入口があった、とは言っても標識などは無い)最初から藪こぎを覚悟していたから、この誤算は嬉しい。周囲は幹の細いブナやナラの森、急な尾根道を登る。高度が上がると、木々の間から北方に和賀岳が見る。
沢の流れに侵食されて崩壊した林道を進む ↑
尾根の上には登山道があった ↑
和賀岳↓
尾根道から北方に和賀岳が見えた ↑
10:00分  二重稜線着
 標高が700m付近まで登るとブナの大木がちらほら見えてくる。登山道が藪に消えて尾根が左右に分かれる。真ん中には小さな湿地もある。背丈を越える笹薮で登山道が見えない。右の尾根に進んでみるが藪が濃すぎる。左の尾根の藪の方が歩き易そうに見える。直径1m以上もあるブナの倒木の上を渡って左の藪を進むと登山道が見つかった。
 しかしこの先は笹薮が次第に濃くなり登山道が消える個所が多くなる。足元に見えるササの切り口に機械で刈払った跡があるので登山道と分かる。刈払いからたぶん3年以上は経っているだろう、ほとんどササ薮に戻っている。この先は目印テープを付けながら、藪の薄いルートを探しながら進む。
尾根が左右に分かれて中央に湿地がある →
山頂が近づいてくると北方に岩手山が見える ↑
山頂の輪郭が見えてきた →
岩手山↓
10:15分  市町境界線の南斜面を通過する
 この場所は北上市、西和賀町境界線上にある標高789mピークの南斜面だと思う。この先は、広い尾根上にあるなだらかなピークを乗越えながら進んでゆく。林床のササ藪は2mほどの背丈、所々で3m近くの濃い藪もあるが、アップダウンがあるので振り返ると取り付けてきた目印テープがなんとか確認できる。尾根から少し北側斜面寄りに進むと、藪が少し薄い感じがする。所々で登山道に合流しながら進む。
11:00分  山頂手前のピーク通過
 たぶん正面の林間に見える山影が山頂だろうと思う。この辺までくるともう深い原生林の中、水苔がびっしり付いた大小のブナ林が素晴らしい。不完全な熊棚も2本確認できた。
11:30分  四枚平山山頂到着
 平坦な山頂に到着。ササ藪と木々に囲まれた山頂からは全く展望なし。山頂プレートは見当たらなかったが、三角点は直ぐに見つけることができた。三角点の回りにササが生えていないところをみると、定期的なコース整備が行われているのかもしれない。三角点脇の木の根元を掘ってみたら、ほとんど腐ってしまった板きれと、ピカピカに光るステンレスの針金が出てきた。これは腐って落ちてしまった山頂プレートの破片かもしれない。
 山名の由来は、山頂が平坦だから平山・・それでは四枚の意味はなんだろう? 
13:23分  下山する。
山頂は藪が薄い ↑
山頂の三角点 ↑
熊がよじ登った時に付いた爪あと→
山頂はササ薮に囲まれていて展望はない ↓
林道Y字路→11分→林道終点→60分→二重稜線→15分→標高789m地点→1時間15分→四枚平山山頂

林道Y字路→2時間30分→四枚平山山頂