10:25分 ヒヤ潟着
旧国道46号仙岩峠に到着。岩手、秋田県境を越える国道46号線、現在の国道46号仙岩トンネルが開通する昭和51年までこの峠越えの道が利用されていたという。そういえば私が小学生の頃、この国道を自動車で越えたことがあった。思い返せば今からおよそ40年前のこと、この旧46号が国道になったのは昭和39年だというから、ちょうど開通して間もない頃だったのだろう。当時は自家用車を持っている家は殆ど無く、三輪のトラックが全盛の時代だった。父が会社から借りてきた車に弟と3人、田沢湖を目指して生まれて始めての自動車旅行。当時は国道4号線さえも大部分が砂利道だった時代。当然この国道46号も砂利道、その上狭くて勾配もきつく、土ぼこりがもうもうと立ち込める悪路・・ではあったが、子供にとっては見るものすべてが初体験の連続だったことを思い出す。あの当時荷を積んだトラックが行き交った峠道、今では時折山菜採りの車がやってくるだけの峠道になっている。
2007年5月29日(火)曇り〜晴れ
所在地 岩手県雫石町、秋田県仙北市境界
標 高 992.4m
旧秋田街道〜貝吹岳2
たっぷりと水を湛えたヒヤ潟からは、産卵期を迎えたカエルたちのゲロゲロ・・という鳴き声が響いてくる。道端に座り、秋田駒ケ岳を眺めながら大休止。
10:40分 国見峠登り口出発
ヒヤ潟を回り込むように国道46号を岩手側へ下ると、ヒヤ潟の東端付近に見慣れた標柱があった。表の文字は消えてしまっているが、裏を見ると平成12年10月1日の日付と雫石森林管理センターの文字が読み取れる。標柱から歩道が尾根方向へ続いている。
ちょうど下ってきた山菜取りの人達に国見峠までの様子を聞いてみる。途中までは刈払いされているが、国見峠付近は荒れているかもしれない・・・ということだった。少々の藪なら行ってみよう・・・と思いながら出発。
旧国道46号仙岩峠、写真の奥が秋田県
↑ヒヤ潟
道端にはキクザキイチゲ、ミヤマキンバイ、カタクリ等々が咲いている。今年の春初めての山行、カタクリは終わってしまったかな・・と思っていたがまだ残っていてくれた。
心配していた道はしっかり刈払いされている。街道特有の掘割道が現れた。両側の壁が背丈ほども掘り下げてある。更に進むと掘割道に残雪が残り雪渓歩きの区間もある。春遅くまで街道に雪を残すことによって、街道が草木で荒れるのを防ぐことができるという。
すでに街道としての役目を終えた今でも、掘割道はその役目を果たし続けている。
↑国見峠登り口
(駐車スペースは周辺に乗用車10台以上可)
↑国見峠へ
旧国道46号雫石町へ↑
国見峠へ向かう旧秋田街道
これが掘割道というものらしい→
11:05分 国見峠到着
国見峠までしっかりと刈払いされていた。いや、国見峠までではなく、その先の笹森山まで刈払いされているように見える。笹森山に設置されている電波反射板の維持管理歩道として、たぶん昨年ごろ刈払い整備されたのだろう。おかげで藪こぎすることなく国見峠に到着することができた。
国見峠に据えられている南部藩の石柱には「従是北東盛岡領」と刻まれているというが、逆光の関係もあってよく読み取れない。しかしこの場所からの、秋田駒ケ岳から岩手山方面の展望は素晴らしい!
国見峠から秋田側へ少し進んでみた。刈払いはしていないが、足元の踏み跡はしっかりしている。20mほど進むと左側に小さな石の祠があった。苔むした祠の中にはご神体は無かった。この先も踏み跡は続いているようだが、ここで引き返す。
←秋田街道に咲くキクザキイチゲ
国見峠に立つ南部藩の石柱↑
国見峠から秋田側へ少し進むと小さな祠があった↑
↓秋田県側の街道
国見峠から秋田駒ケ岳、岩手山を眺める↑
↓秋田駒ケ岳
↓岩手山
↑電波反射板が設置された笹森山
11:29分 旧国道46号仙岩峠に戻る
12:05分 仙岩峠の高圧線鉄塔(秋盛幹線226番)広場に戻る
貝吹岳の登山口に戻る。この場所、秋盛幹線226番鉄塔の広場から登山道が始まる。一旦斜面を少し下ってから貝吹岳へ登り返すことになる。貝吹岳の頂上付近には電波反射板が設置されているので、維持管理用の歩道が整備されている。貝吹岳の登山道・・ではなくて管理用の歩道として定期的に刈払い等の整備がされているのだろう。
12:22分 貝吹岳の電波反射板着
12:26分 貝吹岳山頂到着
貝吹岳山頂が近づいてきた↑
貝吹岳山頂到着↑
貝吹岳山頂から南方に見える和賀山塊↑
地森の手前の電波反射板の設置されたピークを下地森というらしいが、維持管理のために歩道が整備されているように見える。
↓下地森
↓羽後朝日岳
↓モッコ岳
↓五番森
貝吹岳山頂からは南方に和賀山塊、貝吹岳からモッコ岳へと続く尾根が見える。南東方向にはうっすらと早池峰山、北東方向には岩手山、北方には秋田駒ケ岳、北西には田沢湖の一部も見えている。電波反射板が無粋ではあるが、山頂少し下の北斜面からは旧秋田街道の核心部分の殆どを見渡すことができた。
12:50分 貝吹岳出発
帰りは旧秋田街道を下る。危険な箇所も無く、大変良く整備された快適な道だった。これだけ整備された街道になぜ案内表示が無いのだろうか?
14:30分 旧秋田街道登り口に下山する。
貝吹岳山頂から秋田駒ケ岳を眺める→
えんど
旧秋田街道入口→47分→羽中線79番鉄塔→1時間19分→秋盛幹線226番広場→43分→ヒヤ潟→40分→国見峠
旧秋田街道入口→3時間29分→国見峠
秋盛幹線226番広場→21分→貝吹岳