ナメトコ山周回コース

　ナメトコ山に最近新しい登山コースが開設されたという情報を耳にしましたので、４年ぶりに出かけてみました。今年は宮沢賢治生誕110年になります。賢治の童話「なめとこ山の熊」に出てくる「なめとこ山」が実在する山であることが証明されたのがちょうど１０年前、生誕１００年祭の時でした。それ以来国土地理院の地図にナメトコ山の名称が書きこまれると共に、ナメトコ山への登山コースが開設されています。
　今回歩いてみた新しい登山コースは、県道２３４号から直接ナメトコ山に向かうように作られていました。県道２３４号の峰越峠の手前にある金勢神社登り口が登山道の入り口です。今のところ金勢神社登り口には、ナメトコ山登山口を知らせる標識などは設置されていません。刈払いされたコース途中にも案内標識などは全くありませんでした。今のところ一般登山者が安心して利用するほどには整備されていないようです。
　しかし今回コース途中で出会った関係者のお話では、近いうちにコース整備を行う予定が有るそうです。
今回は北ノ又林道入口にある登山口からナメトコ山→金勢神社→県道２３４号→北ノ又林道登山口へと新旧の登山コースを一周してみました。

北ノ又林道登山口→２０分→沢から離れて急斜面の登り→２２分→尾根の上→１３分→ナメトコ山山頂→１時間３３分→金勢神社→１７分→県道２３４号金勢神社登口→３３分→林道入り口→３７分→北ノ又林道登山口

北ノ又林道登山口→３時間５５分→北ノ又林道登山口

　花巻市街から県道１２号（花巻大曲線）を西和賀町方面へ向かう。豊沢ダムの上流に架かる幕舘橋を渡り、右折して県道２３４号へ入る。３．６ｋｍほど進み左の林道へ入り登山口へ向かう。昨年秋に林道の様子を確認した時には、路肩の雑木が茂っていて車の進入ができなかったが、今年になって刈払いが行われたらしく雑木や雑草は綺麗に刈り払われていた。（登山口には駐車スペースが殆ど無いので車は林道入り口にある駐車場「乗用車約20台、マイクロバスも可」に置いて登山口まで歩いた方が良い）

９：55分　　登山口出発
　中ノ又林道と北ノ又林道の分岐に到着、林道はここまで刈り払われていた。（登山口の駐車スペースは、方向転換するスペースを残すと１～２台分しかない）　4年前には無かった「ナメトコ山登り口」の標柱が新たに立てられている。登山道はここから廃道になった北ノ又林道を進んで行く。刈払いされていないので雑草が体に触る。廃道が終わると沢を右に左に横切りながら登ってゆく。登山道は刈払いなどの整備が殆どされていない様に見えるが、最近歩いたと思われる踏み跡がついている。思いのほか登山者は多いのかもしれない。

１０：15分　　沢から離れて急斜面の登りになる
　沢の左岸の斜面へ赤テープが続いている。ここからナメトコ山の南西斜面に取り付き、尾根に向かって急斜面を登ってゆく。
１０：３７分　　尾根の上に着く
　ササ藪に覆われた尾根の上に着いた。ここまで来れば山頂はもう直ぐ、刈払われた登山道を進む。
１０：５０分　　ナメトコ山山頂到着
　登山道から左に分かれ山頂に到着。４年前には手作りの標識が枝からぶら下がっていたのだったが、真新しい「ナメトコ山」と書れた立派な山頂標識に変えられていた。
今回の目的はこの先に開設された新コースを歩くこと、早速登山道に戻る。新しいコースは、花巻市、雫石町境界の尾根上に作られている。山頂からはブナの森の中を下ってゆく。太いブナの森、見応えがある。足元の笹はしっかりと刈払いされているが、まだ充分に踏み込まれていないのでササの切り株で足を取られる個所がある。もう一度刈り込んでやれば一層歩きやすくなることだろう。

山頂から５０分ほど下ると登山道は廃道に合流する。何かの気配を感じて立ち止まる、熊だろうか？　ホォ～イと声を出すとハ～イと返事が返ってきた。ナメトコ山の登山道整備の下調べにやってきた方だった。その後から鈴を鳴らしてもう一人、こちらも同じく登山道調査の方。この辺りの山は熊が多いので熊鈴を鳴らし、その他に熊撃退スプレーも持ってきたが、熊と鉢合わせでなくて良かった。
１２：２３分　　金勢神社着
　いくつかの小ピークを乗越えながら下り、金勢神社に着いた。コンクリートブロックで作られた小さな祠の中に、石の金勢様と朱塗りの木製金勢様が祭られてある。この先は神社の参道を下ってゆく。杉林の中をくぐり抜けて県道２３４号に出た。
１２：４０分　　県道２３４号、金勢神社登口着
　ここから林道入り口まで県道を２．３ｋｍ、更に北ノ又林道登山口まで林道を２．２ｋｍほど歩くことになる。
１３：１３分　　林道入口着
１３：５０分　　北ノ又林道登山口に戻る。