害鷹森

　害鷹森は新里村、川井村、岩泉町の境界に立つ山です。堺ノ神岳から上松森を挟んで約５ｋｍ南にあります。標高は堺ノ神岳よりも１５ｍ低いだけですが、山頂がなだらかな丘状をしていますので森という表現がぴったりです。こちらの山も山頂の真下まで林道が通っていますので、林道から山頂まで30分も掛からずに登れます。今回は峠ノ神山に登る途中立ち寄ってみました。

　盛岡方面から国道１０６号を宮古方面へ進む。川井村川内に着くと、右が川内駅へ、左が夏屋を通って岩泉町大川へ向かう十字路がある。この十字路を左に入り夏屋方面に進んで行く。国道１０６号交差点から約４．１ｋｍ進むと、右に入る村道がある。この村道は、安庭山荘を通って新里村の和井内まで通じている。この村道に入って砂利道を登って行く、道幅は狭いが路面の状態は比較的良好だ。一部に小石ぐらいの落石もあったが、大雨の後でもない限り、通行止めになる可能性は低いように見える。砂利道の村道に入ってから約９．８ｋｍ進み峠に着いた。（標高約１１３０ｍ）

なだらかな尾根の向こうに、害鷹森が見える。そして右隣には山頂が空に向かってツンと突き出した堺ノ神岳も見える。村道はここから緩やかに下っていくが、尾根の上には１/２５０００地図には載っていない林道（植林の為に作られた作業道）が通っている。どうやらこの林道が害鷹森へ向かう近道のようだ。この尾根上の林道に入って進んでいく、しかし進むに従い林道は悪路へと変わっていく。ノバラや雑木が車を擦る、路面の凹凸を避けながらゆっくり進む。確かに距離的には近いのだが、時間的には村道を迂回した方が早かったかもしれない。

１．２ｋｍほど進むと右方向から登ってきた林道と合流する。合流した林道は開設されて数年以内らしく、路面状態が大変よい。ところどころ待避所も作られている。合流して左に１ｋｍほど進むとY字路に着いた。
Y字路を右に進むと堺ノ神岳へ向かう道、左はたぶん夏屋から大川に向かう村道に向かっているのだと思う（正確なことは解りませんが・・）正面直ぐ目の前には害鷹森の山頂が見える。ここから真っ直ぐ登ると山頂まで最短コースに見えるのだが、登山口を示す案内標識は全く見当たらない。
　ネットで調べた限りでは、登山口は山頂の北側、上松森との鞍部付近にあるらしい。Y字路を右に進み登山口を探しながら走る。Y字路から４．５ｋｍ進むと見覚えのある丁字路に着いた。ここは和井内放牧場から堺ノ神岳へ向かう林道との交差点だった。ここまで登山口の案内標識らしい物も、踏み跡らしいものも見当たらなかった。林道を引き返し、上松森の鞍部付近を慎重に捜してみると登山口が見つかった。
　Y字路から約２．２ｋｍ地点で、林道脇の切通しの斜面が途切れる場所がある。よく見ると、藪の中に古い牧柵の支柱が数本立っているのが見える。ここが登山口らしい。この古い牧柵を目印にして登って行くと山頂に着くのだろう。この場所にも案内の標識は無い、踏み跡は見えるが荒れている、駐車場も無い。歩き易そうなY字路の場所から登ることにして引き返す。　Y字路の場所は林道が少し広くなっているので、路肩に乗用車１０台ぐらいは止められそうだ。

９：４０分　　林道出発
　山頂に向かう南斜面は、カラマツの植林地になっている。唐松の幼木を強い北風から守る為だろうか、板で作られた防風柵が設置されている。防風柵の隙間を通って、真っ直ぐに山頂に向かって登って行く。中腹まで登ったところでしっかりした踏み跡にぶつかった。
やっぱりこちらのコースがメインの登山ルートになっているようだ。
　笹薮と雑木に覆われた斜面を過ぎると、裸地になった斜面に古い牧柵が現れた。今は雑木に覆われているが、かつてこの山の西斜面には放牧場が広がっていたらしい。
９：５６分　　山頂到着
　山頂には二等三角点があった。南西方向の視界が開けているが、霞んでいて遠方の視界はあまり良くない。周囲の林床にはベニバナイチヤクソウの群落が広がっていた。この山は単なる消化登山と思っていただけに、思いがけないお花畑のお出迎えに少し得した気分になった。