八幡平縦走路2
(八瀬森山荘〜鶴の湯温泉)
2001、10月14日「日」
八瀬森山荘の朝
 昨夜は窓から大いぬ座のシリウスが綺麗に見えていたが起きてみると空は雲でいっぱいだ。風も吹いていて室温9℃、雨はすっかり止んでいる。昨夜手を洗った山荘前の水溜りも残りわずかだ。お湯を沸かして朝食を済ませて身支度、フトンを手すりに掛ける。「布団を畳んでおくとネズミが入ってしまうので必ず掛けておくこと」一階と土間の掃除は東京の人にお願いして二階の掃除だけして一足先に出発する。
6:55分  八瀬森山荘出発
 山荘からはすぐに登りだ、針葉樹とササの道を進んでいく。
7:10分  八瀬森着
標高1230m、八瀬森山荘から0、8km、曲崎山まで3、3km
殆ど平坦な山頂だ、山頂を示す新しい標柱が建っている。体を動かしたら汗が出て来た、ここで上着を脱いで本格的な山登りに備える。なだらかな下り坂が30分程続く、見事な針葉樹の森だ。所々倒木が目に付く、ある程度成長して風を受けるようになると根張りの弱い木は根を引きぬかれて倒れてしまう。倒木の根を見ると本当に表土が薄いことがわかる、わずか数10cmの厚さの土を抱いて倒れている。幹を見ると直径50cmくらいも有る立派な樹体なのだが。
7:40分  標高1114m付近着
 ここから曲崎山の山頂まで標高差で220mの登りが始まる、ゆっくりと登って行く。ブナが目につくようになった。ここまでは全くブナは無かった。次第に急登になっていく、曲崎山の山体は雲の中で全く見えない。
林間から出て笹原の急登になった、振返ると葛根田大白森が雲間からちらりと見えた、天候は確実に回復してきている。
急斜面が終って、殆ど平坦な道になった。両脇がオオシラビソとササの道を少し歩いて山頂に着いた。
8:28分  曲崎山着
標高1333、8m、八瀬森山荘から4、1km、大沢森まで2、0km
 平坦なところだ。周囲はササとオオシラビソの林で展望は全く効かない。最近刈り払ったササが散乱している、刈り払い前は座る場所も無かったかも知れない。
大白森方面から男性一人が登ってきた昨晩は大白森山荘に、今晩は大深山荘に泊まる予定、八幡平まで縦走すると言っている。山頂を過ぎると急な下り坂になる、刈払った笹が散乱している。正面に大白森が見える、そして右に大沢森、急斜面を下りて広葉樹の道を進んでいく、大沢森に着いた。
9:20分  大沢森着
標高1178m、大白森山荘まで2,5km
 なだらかな山頂だ、笹薮の中で周囲の展望はきかない。内大沢森に向かう分岐になっていて踏み跡はあるが笹が茂っていてとても入っていけそうもない感じがする。ここからは次第に急な下りになっていく。正面の林間に大白森が見える。下るに従って紅葉が綺麗になっていく、風音が強くなるたびに枯葉がパラパラと落ちてくる。急斜面が終わった所に、ブナの木にスノーダンプがくくりつけてあった。こんな所でなにに使うのだろう?不思議だ。
9:59分  大沢に向かう分岐着
 右に入って行く分岐に出た、地図に載っている大沢に降りる登山道かもしれない。刈払いもしているので少し入ってみたがしっかりした道だった。しかし道標はあるが何も書いていない。進んでいくとまた分岐があった。
10:08分  大沢分岐着
大沢森から1,3km、大白森山荘まで1,2km、大沢まで30分、大白森山荘まで30分、
ここが大沢分岐だった。さっきの分岐は大沢から曲崎山方面への近道だった。 
ここからは刈り払いをしていないので笹の延びた急斜面を登っていく、大白森山荘に着いた。
10:40分  大白森山荘着
  山荘に続く道が荒れていて建物が見えなかった。入ってみると男女三人が昼食を食べていた、山荘の中は八瀬森山荘に比べると荒れている。3年前に来た時と同じ、補修はしていなかった。近くの水場は枯れていた、昨日まで雨が降っていたのに沢には殆ど水が流れていない、注意が必要だ。
八瀬森付近の針葉樹の森と倒木
曲崎山山頂
登山道脇に有ったスノーダンプ
大沢分岐付近の紅葉
大白森山荘、こちらにも布団が有る(98年9月撮影)
大白森の木道に着いた、延々と続く
 ここからも急斜面を登っていく、標高が上がって風が強くなってきた。木々は裸になっていく、木道に着いた。大白森の東端だ、すっかり晴れ上がって秋田駒ケ岳、大白森。曲崎山、岩手山、八幡平、と素晴らしい展望だ。木道の脇では登山客が昼食を摂っている、鶴の湯温泉口から登ってきた人達だろう。私も木道に座って昼食を飲む。
11:46分  大白森山頂着
大白森山荘から1,3km、鶴の湯温泉まで4,7km、 
 大白森は山頂が大変広い湿原になっている。僅かに東に傾斜していて池塘は殆どない。本当の山頂は湿原の西に有るのだが木道が湿原の中央を南北に通っているので山頂の標柱は木道の脇に立っている。
西側の展望はまったく効かないが東側に見える景色は開放感があって素晴らしい。一面枯野原になっているが夏には一面緑の草原になることだろう。湿原の端から端まで木道が整備されていて踏み荒らす心配がないのが良い。ここからは一旦下って小白森へと向かう。
大白森の東端から曲崎山、八幡平、畚岳方面
曲崎山↓
八幡平↓
↓畚岳
12:17分  小白森着
 小白森は大白森と同じように山頂が平坦で湿原が有るが殆どはササと雑木、小振りのオオシラビソで覆われている。木道の正面左に駒ケ岳が見える。木道を過ぎるとブナ林の中を下っていく。
12:36分  乳頭鶴の湯分岐着
大白森から2,2km、乳頭山へ5,5km、鶴の湯温泉まで2,5km、
 県境はここから八幡平縦走路から分かれて左に入り乳頭山へと向かっていく、登山道の整備は充分、昨年か今年の春に刈払いをしたようだ。次回に歩いてみよう。この辺りはまだ紅葉が残っている、下るにしたがって見ごろになってゆく。
13:11分  金取坂の水場着
 急な下り坂の途中に水場がある。ぽたぽたと湧き水がコップに滴り落ちている。ここまで来るともう里山だ。雑木林へ、そしてカラマツ林へと変わっていく。林道に出た、鶴の湯温泉まであと400mだ。そして200m進んだ所に分岐があってそこから蟹場温泉、へ向かい乳頭温泉郷を一周して鶴の湯温泉まで戻って来る周回コース(新奥の細道全長13,5km)が有る。
13:54分  鶴の湯温泉着
 鶴の湯神社に参拝して山行の無事を感謝する。原生林の中で二日間過ごしフィトンチットをたっぷり吸い込みリフレッシュできた、このコース一年に一度は歩いてみたいものだ。
鶴の湯温泉は日曜日でもあり大変混雑している、妻の車で松川温泉まで送ってもらい、松川温泉で山行の汗を流す事にしよう。
松川温泉登山口→2:44分→大深岳→2:33分→八瀬森山荘→1:33分→曲崎山→2:12分→
大白森山荘→1:06分→大白森→50分→乳頭鶴の湯分岐→1:12分→鶴の湯温泉

松川温泉登山口→12:16分→鶴の湯温泉登山口 (28,2km)
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