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ちょー魔法

ちょーシリーズ。野梨原花南・著。コバルト文庫刊。

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どんな魔法があったのか、どの巻の何ページだったか……、
ふと気になり、ネットで検索するもヒットせず(探し方が下手なのかもしれませんが☆)
どーせなら自分で作ったほうが手っ取り早いかもと思い立ってしまいました……。
魔法陣理論や魔法使いの杖の構造一覧も作りたいなぁ。

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☆魔法使いの杖と、ある程度決められた文章(多少口が悪くても大丈夫そう)と、
詠唱時のリズムによって発動するのでしょうか。杖なくても使える魔法もあります。
マジックマスター契約法と独立魔法、魔族契約法に基づいて分類・系統立てされているそうです。
高位な魔法になるほど、マジックツールや魔法陣が必要のようです。
以下、各人が唱えた呪文です。登場順。【】内は初出時の刊タイトル。と頁。

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index...↓
『スマート・ゴルディオン』『ダイヤモンド』『パリス・エンファラン』『ミナ・テフロカ』『リディアン・ヴァデラッヅ』
『サリタ・タロットワーク』『リオ・アース・タロットワーク』『サファイヤ』『レードラ』『ユーナーン』『黎宝珠』
『オニキス』 『エデア・タロットワーク』『タリス・タロットワーク』『バロックヒート』

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『スマート・ゴルディオン』
鉄色の髪の魔法使い。美貌の流浪の大賢者。時に女。時にサリタ。リドー・デッカ。
さて俺様が命ずるぜで始まる簡略魔法は他にないらしい。勉強家で努力家。

『さて俺様が命ずるぜ! 晴れろマジックスモーク! 生まれた赤い石の中に戻れ!』(【ちょー美女と野獣】89頁)

ライーによると、マジックスモークを出せるのは相当高位の魔法使いでなければ出来ないらしい。普通の煙と違って、いがらっぽくなく目にもしみず、独特のどこか没薬のような匂いがするそうだ。ちなみにマジックスモークを出す為に呪文を紡いでいるが文章化はされていない。

『出でよマジックスモーク! 魔法の神秘を、顕しやがれ! 』(【ちょー美女と野獣】152頁)

ジオを再び獣に変える為に出す。リブロに命じられ、ジオをトードリアに向かわせないように。獣に変える呪文は文章化されていない。

『さて、俺様が命ずるぜ! 起動しろ、言葉をつなぐ珠! お前の片割れに、俺の言葉を響かせ伝えろ! 』(【ちょー囚われの王子】197頁)

通信珠を起動させる。龍脈線のある場所で、水をつけた手で空中に魔法文字を書き、マジックツール(山ぶどうの蔓と何種類かの植物と鉱石)で作った魔法陣も必要。

『……さて俺様が命ずるぜ! 出でよマジックスモーク! 魔法の神秘を顕しやがれ、俺の力を風と為せ! 』(【ちょー夏の夜の夢】48頁)

風呼びの魔法に呼応して空を飛ぶ。空を飛ぶのと風呼びの魔法の起動には、山鳥の尾羽根と雄の雉の風切り羽が必要。制約は自分の手で狩った物。

『……ここに宿る魔法の力。リディアン・ヴァデラッヅの力による傀儡の魔法陣に申す。お前をつなぐ魔法の力はこの俺様によって絶たれた。次界のあらし、天の回転、循環せず無へと戻る物質、完璧に清潔なる死の砂漠、死んで縮まる恒星の光。全てのものの理に従え。さて、俺様が命じるぜ! 霧散しろ悪意の魔法! お前の力を無へと帰せ! 』(【ちょー夏の夜の夢】146頁)

『傀儡』の魔法陣を解く。杖の、宝石(スマートはルビー)の嵌っている部分を魔法陣に向け、詠唱する。

『……呼ばれて答えよレフリフラフ、賢者の花のかそけき花弁、響きわたるは荒野の風の、嘆きにも似たわが言葉……それでは風の向かう場所、北の大地の国家の要、尖塔の群れる王城へ我らを光の粒子に変えて、偉大なるかの魔術の長の、力によりて迎え賜わん』(【ちょー夏の夜の夢】156頁)

移動魔法の発展形。魔法陣の中に入って詠唱し、杖で空中に何事か図形を描く。魔法陣は、十二色の、鉱物を溶かして作った絵の具で描く(本文中には、藍銅鉱(アズライト)、岩緑青(マラカイト)、鉛丹、鉛白、藍玉、辰砂、瑠璃、のみある)。南東にマジックマスター、ガーカ・カーカカーセス、西にヌホ、南西にバロック・ヒートの名前を書く。その力を何らかのスペルで制御。抽出され、ふりまかれた薔薇のエッセンス。呪文は文章化されていない部分もあると思われる。

『はるかなる魔術の地平、暁闇の永遠に鳴り響く清冽なる美声の鳥の歌、響き渡る世界におわす御方の眠りを覚ます音律を、卑小なる水汲みの輩が発語することを詫び、またその許しを乞い願う。純銀の大空、爆ぜるビーズ色の溶岩、黄金の河に咲く宝玉の花の名前。日食の力、大陸と海とを渡る鳥の翼を愛するものよ、一切の束縛から逃れ切る可能性を持つ王よ、我ら一切の束縛から逃れ得ぬ人間の綴るこの音の場を、感知し、(認知し、)どうか不足と思うことなく参られ賜わん。いざや来たらん魔力の宰! 青い絹糸の毛並み、長き尾を持つ魔術の王! 高貴なる心の主レティシァ・シンディア・ジェムナスティの信託により、召喚し奉るは、(サリタ・タロットワークと)スマート・ゴルディオン! いざや来たらん魔術の宰! この場に音律の波は満ちたり! マジックマスター……バロックヒート!!』 【ちょー夏の夜の夢】195〜204頁)

もしかすると所々文章化されてない呪文部分があるのかも。ダイヤが詠唱したのとは違う、おそらくこちらが本式の召喚呪文と思われる。杖と詠唱のみで、マジックツールも魔法陣もなし。

『水晶の定期振動の周波数に於いて、磁力の力に於いて、天空巡る黄道の軌道に於いて。……この媒体のなかに、水含むからだより魔力よ、移動せよ 』(【ちょー火祭り】137頁)

媒体は水晶。原水晶が良いが、加工品でも可。魔法をかけられる者の額につけると、水の中に色水が吹き込まれるように、透明な筈の水晶が一瞬にして黒く染まる。

『空気の流れ一筋の道、この次界での律の流れは、アルクからビェスタヘツァルからデードへアルクから始まりレスペンファルガエリードリーに至る。確と流れ、干渉を許さず、獣の耳の娘を守り倍率の守護を与えるがいい。
……そう、俺様が命じるぜ! 疾く効力を発揮しろ!』(【ちょー後宮からの逃走】189頁)

ジールは後宮亭の庭先で、宝珠は追手アンセィニュマンスと相対する。

『魔族はこの人間の街、高い太陽の光線の元からその七竈の領域、森の赤い輝ける粒の木の元へと退去せよ。俺様が命じる、疾く効力を発揮しろ!』(【ちょー後宮からの逃走】191頁)

リディアンがムローを退去させたのとは違う呪文ですね。

『さて! 俺様が命じるぜ!
――ニリューカの毒は今ここに撒かれた。この毒は
全ての魔法の文字を腐らせ、効力を無にし、その力を闇へと帰するものなり。
闇に帰し力はニリューカの名の元に統制を行われ、その管理はとこしえの力を持ち
この呪文、魔の法陣、魔術の破壊、または滅破を命ずるが故に、ニリューカの毒よ疾く腐り』(【ちょー歓喜の歌】183〜190頁)

詠唱が終わらないうちにユーナーンに邪魔されました。

『全ての、縛めはライオネスの灯、ジムノーの法によって取り払われる』(【ちょー戦争と平和】18頁)

ジエールゥラーの縛めを解く。

『暴れ馬の如く。間違われた千の数式の中の一つの数字の如く、蝶の羽根が揺らせた風が、島で暴風になるかのごとく。歪み唱えられる全ての呪文よ。
これより修正を行う。流れる律から外れし音共。正される苦痛を、どうか快感と思うがよい。
愛し合うものが、手を差し伸べて相手を抱き込む。それほどの自然さで迎え入れろ。同調させろ。溶けて、同化し、エデア・タロットワークの知識や心の中に潜む秘密を、俺は受け入れる。
さて、俺様が命ずるぜ! 俺の名は。
――世界最高峰の魔法使いの一人! 美貌の流浪の大賢者。……その名を、スマート・ゴルディオン!!』(【ちょー英雄】72〜73頁)

解除の魔法。魔王の暴走を止める為に。そしてサリタはスマートに戻る。

『海を渡るは夕焼け。そは千万億の薔薇。はるばると海を渡り、千万億の薔薇をのべつまくなし撒き続ける。
空を渡るは雲。風の山を越え気圧の渦を昇り変化しつつも渡り切るは雲。白く黒く薄く厚く輝き闇となり宮殿と見えて流れ行き駆けるは雲。
大地を渡るは影。巨きな峰も千尋の谷も、等しく撫でていずこへかむかう影。形を変え、また形を変えず、正体のないまま過ぎていくは雲。
全てを渡るは時!! 四季の輪廻に拠り、滅び、滅し、いぶき、育ち、衰えて還る! その全ての輪の中の紛う方なき支配の現象!! 我らは暗い地上の哀しき客人!!
全ての絶望は彼の支配者からいでて、全ての希望も彼の支配者からいずる事を我は最早知り、疑わず、悲嘆にくれると同時に感謝の言祝ぎを捧げる!!
で、あるから支配者よ。魔王の全てと我々を彼の聖地に運べ。この者どもの始祖、正にリオ・アース・タロットワークが平定し、あの極北の結界へ!! 千万億の薔薇、白き空の宮殿とその影、あるいは彼の支配者自身の力を持ちて!! 我らと魔王を疾く運べ!! ……代価の時間と空間、そして呪文は全てここに揃っているからである!!
……さァて……俺様が命ずるぜ!!
ここにある全ての魔力を受け取り起動せよ、無残にして美しき支配者よ!!』(【ちょー英雄】122〜124頁)

転移の魔法。遠征に同行したタロットワーク一族と唱和。魔族の力を借りて。リオ・アースが言う事には、ほころびだらけの術式。固形化してしまった魔力は、どうやったらできるのか、そんな演算は今まで一度も出てないらしい。

『この世界を支配する全ての律に申し上げる!
これより行うは底なしの密室の召喚。知識の箱と呼ばれしものへの招待の儀である。
eA――Ae――A――eeeeA――
――eA――Ae――A――eeeeA――
――――eA――Ae――A――eeeeA――
――eA――Ae――A――eeeeA――A――
妙なる波、ここに、現れ、表れ、顕れ、それは底なしの密室を顕現させんがため、現れ、表れ、顕れ』(【ちょー薔薇色の人生】102〜103頁)

5人の魔法使い達が、乱れもずれもなく完璧に唱和する。底なしの密室、ガーカ・カーカカーセスを呼ぶ為に。

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『ダイヤモンド』
超ウルトラ美女なお姫様。ジオの奥さん。チョットの間、男。

『レティシァ・シンディア・ジェムナスティの娘、ダイヤモンドがお呼び致します。あなたの治める領域である、魔法力によってダイヤモンドは危機に陥っておりますわ――契約により召喚いたします。いらせられませ、力強き尾を持つ王! バロックヒート!』(【ちょー美女と野獣】123頁)

これも魔法……でしょうか(笑)。バロックヒートを呼び出す時に使用。いつでも喚び出せるわけじゃなく、ダイヤが敵意を持つものの魔法によって窮地に陥った場合のみ使用可、らしい。その判断もダイヤ次第。

『レフーラのオリヴィア。その信託を受けたる我が名はダイヤモンド。古き魔法よ即刻退去し我が身を導き我が身を隠せ』(【ちょー魔王(下)】105頁)

小さな魔法陣に右手を置いて。レフーラ宮殿の恒久的に続く魔法の一つ。石組みや建材そのものに魔力は込められている。

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『パリス・エンファラン』
メイドリーンの魔法使いの求人に応募してきた。よく泣く。天賦の才の持ち主。新しい杖は、中に入れるのは白煙と亜鉛の合金。上から十段階で比率を変えて。水晶の原石とナツメボタルの卵と青松の葉と琥珀の中の虫の死骸。トト鳥の燻製。

『いざ来たらん神々の僕……』(【ちょー魔法使いの弟子】112頁)

天気読みの魔法。この後にも呪文続きそう。

『爆ぜるかまどの神々よ……』(【ちょー魔法使いの弟子】112頁)

単純着火の魔法。

『土に住む幾万の魂達に』(【ちょー魔法使いの弟子】112頁)

肥料の促成の魔法。

『成長せよ寒気の六角!』(【ちょーテンペスト】81頁)

雪を作る魔法、かなー。杖ナシで可能。

『風の歯車とその見えざる機構』(【ちょー魔王(上)】143頁)

風を起こす魔法、かなー。レードラとデリーアリーと同時に言う。濃密な空気の塊が発生して暴れる。

『分かたれた空間に、重力は遮断される。
水の飾り十二の円を、境界として成立せしめて、呼ばれて答えよリフラフレフ、賢者の花のかそけき花弁、響き渡るは砂漠の風の、暴威にも似た我が言葉。
それでは風の向かう場所、南洋真珠飾られてある、白亜と珊瑚の宴の宮殿、あらかじめ設位されたるこの道具の受け入れ口へ。
偉大なるかの魔術の長の、力によりて迎え賜わん。
我が名はパリス・エンファラン。黒漆の杖を持つもの』(【ちょー新世界】179頁)

水が必要、なのかなー。紺色の布に、それぞれ違う色と絵の具で描かれた十二の同心円と、一定の法則性をもって書き込まれた百の魔法文字、そして三つのマジックマスターの名前。あの宴舞会から七年後、移動の魔法陣はこんなにも進化したんですね(笑)。七年前はレフリフラフだったのがリフラフレフになっているのはミスでしょうか?(二版以降を見てみないと……)

『この壁、この床、天井に眠らされたる魔術の力よ! あの娘の翼となり、壁を越えさせよ! 我が名はパリス・エンファラン! 黒漆の杖を持つもの!』(【ちょー先生のお気に入り】12頁)

ムローが作った壁を、宝珠が越える。

『この世界を支配する全ての律に申し上げる!
これより行うは底なしの密室の召喚。知識の箱と呼ばれしものへの招待の儀である。
eA――Ae――A――eeeeA――
――eA――Ae――A――eeeeA――
――――eA――Ae――A――eeeeA――
――eA――Ae――A――eeeeA――A――
妙なる波、ここに、現れ、表れ、顕れ、それは底なしの密室を顕現させんがため、現れ、表れ、顕れ』(【ちょー薔薇色の人生】102頁〜103頁)

5人の魔法使い達が、乱れもずれもなく完璧に唱和する。底なしの密室、ガーカ・カーカカーセスを呼ぶ為に。

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『ミナ・テフロカ』
コバーリム本神殿の巫女。テフロカ司祭の娘。

『魔術世界にわたくしの意思を伝えます! 風よここから吹き荒れよ! 炎をつかの間奪いなさい!』(【ちょー囚われの王子】109頁)

風属性の魔法。パーティ会場に突風を吹かせて明かりを消して、ダイヤモンドが暴れた。

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『リディアン・ヴァデラッヅ』
前シンザ・ツァレド・ジークフロード。妖精さん(の体)。ヴィアの旦那さん。口癖は『呪うぞテメー』?(笑)

『集え火の精霊。密集しろ大気の毒。爆発し、敵を焼け。我が名はリディアン・ヴァデラ』(【ちょー夏の夜の夢】182〜183頁)

ッヅ、と続く筈と思われる(妨害されたので)。発動せず。炎属性の魔法、でしょう。ちなみの彼の使用する杖は黒漆。中に鉛か何か通してあるのか結構重いらしい。直後、ジオにへし折られる。

『行け。王宮、こいつらの母親のところだ』(【ちょー海賊】107頁)

本来なら媒介が必要の魔法。描かれた、青い紫色に発光する図形は窓を通り過ぎると白い蛾と変化した。

『閃光、ここに降り、
その圧力に因る壁作りの魔族の、
我は命ずる、退去もしくは消滅を! 我が名はリディアン・ヴァデラッヅ・ジェファイラ・レフーラ!』(【ちょー先生のお気に入り】14頁)

リディアンの名乗りが恰好良くて(笑)。謁見室からムローを追い出した。

『この世界を支配する全ての律に申し上げる!
これより行うは底なしの密室の召喚。知識の箱と呼ばれしものへの招待の儀である。
eA――Ae――A――eeeeA――
――eA――Ae――A――eeeeA――
――――eA――Ae――A――eeeeA――
――eA――Ae――A――eeeeA――A――
妙なる波、ここに、現れ、表れ、顕れ、それは底なしの密室を顕現させんがため、現れ、表れ、顕れ』(【ちょー薔薇色の人生】102〜103頁)

5人の魔法使い達が、乱れもずれもなく完璧に唱和する。底なしの密室、ガーカ・カーカカーセスを呼ぶ為に。

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『サリタ・タロットワーク』
ゼロネーム家に使える魔法使い。古代魔法の使い手。十六翼真の黒色。魔王サルドニュクス。

『燃える新月の下の置かれた氷結の皿、振り撒かれたる乙女の涙と汗と血よ……』(【ちょー夏の夜の夢】192頁)

まだ続きがあるらしい。氷属性、かなぁ?

『はるかなる魔術の地平、暁闇の永遠に鳴り響く清冽なる美声の鳥の歌、響き渡る世界におわす御方の眠りを覚ます音律を、卑小なる水汲みの輩が発語することを詫び、またその許しを乞い願う。純銀の大空、爆ぜるビーズ色の溶岩、黄金の河に咲く宝玉の花の名前。日食の力、大陸と海とを渡る鳥の翼を愛するものよ、一切の束縛から逃れ切る可能性を持つ王よ、我ら一切の束縛から逃れ得ぬ人間の綴るこの音の場を、(感知し、)認知し、どうか不足と思うことなく参られ賜わん。いざや来たらん魔力の宰! 青い絹糸の毛並み、長き尾を持つ魔術の王! 高貴なる心の主レティシァ・シンディア・ジェムナスティの信託により、召喚し奉るは、サリタ・タロットワークと(スマート・ゴルディオン!)いざや来たらん魔術の宰! この場に音律の波は満ちたり! マジックマスター……バロックヒート!!』(【ちょー夏の夜の夢】195〜204頁)

スマートと同時詠唱。と言うより、成功の確率がひどく低かった為、二人で唱和することにして、ようやく現実味を持った呪文だったらしい。レティシァの信託を受けてさえ。

『我が体内より出でし血流。大気の組成と結びつきしものは、この手の上に集まり珠となれ。そは丸き石。赤く鈍く輝くもの……』(【ちょー海賊】135頁)

自身から流れ出た血を集める魔法、でしょうか。難しい魔法ではない。といって空手でできる術でもない。杖か媒体、そんなものが必要。

『……治れ』(【ちょー魔王(上)】68頁)

蛇に噛まれたオニキスを治す。

『消えろ』(【ちょー魔王(上)】99頁)

焚き火の炎を消した。簡単に魔法を使うなとオニキスに言われる。

『乾け』/『避けろ』(【ちょー魔王(上)】119頁)

前者は地面と草々を乾かし、後者は雨避け。でも、オニキスの傷を治した頃にはもう、手を使うよりも、魔法の方が近しかった。

『散れ』(【ちょー魔王(上)】129頁)

水滴や泥を弾き飛ばす。あまり考えずに呟いた。

『……ゆっくりでいい。しかし、弱まり逸れろ』(【ちょー魔王(上)】188頁)

嵐に向かって言う。

『目的の場所へこの木の船を安全に運べ』(【ちょー魔王(上)】188頁)

海に向かって言う。

『そして僕をあるべきところへ』(【ちょー魔王(上)】188頁)

海からトードリアの白紙地帯へ戻る為に。

『緩く止まれ』(【ちょー先生のお気に入り】149頁)

マジックマスターの領域に、魔力を飛ばすのはかなり危険らしい。準備をして飛ばしたらしいけれど、それでも怪我を負った様子。

『黙れ。エデア・タロットワーク』(【ちょー戦争と平和】88頁)

魔王になってからのはもう、呪文じゃないですな(^^ゞ

『まずは、休みたまえ。暖かい場所で回復するがよい』(【ちょー薔薇色の人生】12頁)

魔王が願えば世界はその通りの行動を起こす。魔力行使の代価は先払い。代価とは、サリタ・タロットワークというものの人生と魔力全て。そして魔力の器になること。

『眠れ、黎宝珠』(【ちょー薔薇色の人生】50頁)

強制力、有り過ぎ。

『今術を行っている場所へ移動する』(【ちょー薔薇色の人生】129頁)

世界に伝えるだけで、魔王の魔法はそれだけで。

『人に消えろ、圧』(【ちょー薔薇色の人生】134頁)

マジックマスター二体と魔王の圧に、意識が吹っ飛びそうなスマートへ一言。

『思い出せ、私に恋する世界よ。
お前のありかたを。
私を失いたくないならば、急いでそのようにするがいい』(【ちょー薔薇色の人生】165頁)

魔族を元に戻す為に。

『我が愛しき眷属達よ。目覚め、正体を取り戻せ。……我が名は魔王、サルドニュクス。……おまえたちの眼前に今、在るぞ』(【ちょー薔薇色の人生】168頁)

琥珀楡の解除とガーカ・カーカカーセスの調律と、同時に行われた魔族の解放。

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『リオ・アース・タロットワーク』
タロットワーク一族の長。トードリア白紙地帯在住。かなり自給自足。

『マジックマスター・ヌホの、本体が知覚せざる気配よ。僕は君に近しいもの。僕は天秤の片一方の分銅。僕の中の言葉を君に導け。僕は、銀河の一片。僕は風の幽霊。きらきらしい光が多方面から織りなし、一点で結ぶ影。ルーペ石が浮かび上がらす距離のない映像。僕は君に近しいもの。天秤の分銅、銀河の一片、風の幽霊、光の影、ルーペ石の映像。……僕の名はリオ・アース・タロットワーク。僕を君のもとへ導け』(【ちょーテンペスト】113頁)

夢渡りの法。あまり長い時間渡った先にはいられないし、そう度々使える魔法ではないらしい。ひどく魔力を使うので回復に時間がかかる為。媒介は、去年と、その前の年と、その前の年のどんぐりを三つずつ。火の中に投げ入れて使用した。

『起動する。……ヌホの魔力が残留した』(【ちょー魔王(下)】222頁)

琥珀楡の起動。

『ここに登場する全ての物体、力、命、存在は、ひとつとして損なわれることなく在るべきである! すべてそのものの望みのままに登場せよ! これはリオ・アースの名に拠る魔法力の行使。……逆らうものなどいるはずもない事柄だからである!!』(【ちょー英雄】128頁)

砂金が代価でしょうか。物凄い断言系の呪文ですね(笑)。の、おかげで無事に北の平原に降り立てたわけです。

『この世界を支配する全ての律に申し上げる!
これより行うは底なしの密室の召喚。知識の箱と呼ばれしものへの招待の儀である。
eA――Ae――A――eeeeA――
――eA――Ae――A――eeeeA――
――――eA――Ae――A――eeeeA――
――eA――Ae――A――eeeeA――A――
妙なる波、ここに、現れ、表れ、顕れ、それは底なしの密室を顕現させんがため、現れ、表れ、顕れ』(【ちょー薔薇色の人生】102〜103頁)

5人の魔法使い達が、乱れもずれもなく完璧に唱和する。底なしの密室、ガーカ・カーカカーセスを呼ぶ為に。

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『サファイヤ』
ジオとダイヤの三つ子の一人。金色の真っ直ぐな髪。榛色の瞳。眼鏡使用。支柱の息子。

『……サリタ・タロットワークの信託により、この法を使う。空気に潜む火種。誘い、発火する三種のエレメント。爆ぜよ!!』(【ちょーテンペスト】182頁)

信託魔法。滅多な事で使ったらダメだと言うサリタの言いつけを破り、サフは使ってしまう。信託を受けた印は、以前、サリタの髪で作った細い筆で、サリタの血を使って描かれた魔法陣。

『雷撃』(【ちょー秋の祭典】122頁)

信託魔法。爪に宿っている、のかな。

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『レードラ』
宴舞会のサポート役としてレフーラ王宮に上がった魔法使い。奥さんは姉さん女房らしい。

『機構は停止し歯車は錆を帯びる! 見えざる機構はその世界へ戻り、沈黙の中に身を横たえるのだ!』(【ちょー魔王(上)】144頁)

呪文説一つ唱和しただけで発動してしまった魔法を収める。途中の呪文説を忘れてデリーアリーにプロンプトしてもらった(笑)

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『ユーナーン』
レフーラ国宰相。彼の欲したのはヌホの召喚そのものでしかなく。力ではなく。魔法使いらしい魔法使いではないかと。

『私の……血と苦痛とを以て、魔術の代償とし……。ここに……鍵は開かれる。……い……いざや来らん魔術の宰……絢爛の愚者……虹の翼よ……マジックマスター!?
ヌホ』(【ちょー魔王(下)】176頁)

起動の魔法、言葉の鍵。

『信託を
オリヴィアに……』(【ちょー魔王(下)】192頁)

魔法、かな。プロンプターはダイヤ。

『……我が魔力の前に、退くがいい我を捕らえる鋼鉄。恒星の熱、巨人の力の前に、弾けよ!』 【ちょー歓喜の歌】188頁)

ユーナーンを縛めていた手鎖が、ニリューカの毒を受けて、粉々に弾け飛ぶ。

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『黎宝珠』
東大陸から西大陸にやってきた、獣の耳を持つ少女。魔族の英雄。

『……我を、めあてにとばせ、次界と時の力。
めあてはラボトロームの魔法陣。
……あらかじめ仕掛けられたる呼び戻しの法。
リディアン・ヴァデラッヅ・ジェファイラ・レフーラ。
の名に於いて、
……ここに起動せよ!』(【ちょー先生のお気に入り】104頁)

ダイヤに手伝ってもらって詠唱。ジール城からラボトロームへ。

『この魔法は、エルス・アムメナ・ジークフロードより託されたもの。その名に於いて、翼持つ者の変化の魔法の解除を命じる!』(【ちょー歓喜の歌】182頁)

二羽のセキレイを元の姿、サリタとオニキスに戻す。

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『オニキス』
ジオとダイヤの三つ子の一人。金色の真っ直ぐな髪。榛色の瞳。支柱の息子。

『……全ての魔族はこの札に耐えがたい痛みを感じる! 発動!』(【ちょー先生のお気に入り】147頁)

ヴァデラッヅが作った札を、髪の毛の魔族に叩きつける。威力は確か。

『……長い尾を持つ王……バロックヒート……』(【ちょー先生のお気に入り】163頁)

宝珠と共に、熱風荒野で死にかける。宝珠を助けたいが為に、魔術の宰を呼ぶ。

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『エデア・タロットワーク』
己の力で持って魔王を探そうとした。

『出よ、魔王の目当て、魔族ジエールゥラー』(【ちょー歓喜の歌】178頁)

魔王を呼ぶ為の目当てに、ジエールを召喚する。

『……我が名はエデア・タロットワーク。天秤の調整役の一族の裔。魔力の水汲みの輩。これより星辰、闇の力に働きかけを行う。
ここにあるは魔王捕縛の魔法陣と、魔王に縁深き魔族。
我が名はエデア・タロットワーク。北方白紙地帯より、このジールの地へと魔王召喚を行う者なり。
発火せよ、目当ての光。
待機せよ捕縛の炎。
……闇の中の光を目当てに、魔王よここへ降臨せよ。その名は我ら魔術の徒には十六翼真の黒色と呼ばれ
全ての魔族の王たる者。人間の器に古き魔力全て流れ込み、そは美しき闇、黒き光。
輝ける夜の中の夜、太陽を孕む真夜中。
……岩に含まれたる金剛石、絶望の中の真実よ。疾く来たれ、今この時この網の中へ。過去にサリタ・タロットワークと呼ばれ……
今、魔王と称されるもの。
我が名はエデア・タロットワーク! 我が召喚に答えて、今こそここに現れよ!
――魔王、サルドニュクス!』(【ちょー歓喜の歌】179〜192頁)

水晶を一つ魔法陣に放り込み、魔王捕縛の詠唱。おめかしして(笑)。途中、会話も地の分も他の呪文も入ってて、抜けはないと思うのですが。多分。魔王捕縛の魔法陣は、すぐ駄目になってしまうペン先は黄金と錫の合金、その生成には紅玉の粉が不可欠。ペン軸は、魔法使いの杖と同じ理論で作られた、手間暇と金のかかったもの。インクも黒ダイヤの破片、希少な没薬、三枚羽根のコウモリ、人魚の奥歯、今年最初に実った棗の実、等々。

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『タリス・タロットワーク』
まだ年若い、女性の魔法使い。リブロの常に私を照らせという命に、サムネアから指名される。片手に杖を持ったまま騎乗して馬を操るので、乗馬は得意、なのかな。

『現れよ、仮初めの太陽! 隈無く照らすは夢幻の大地に非ず、そは現世の女王陛下。影なく星の如く月の如く、美しき女王を照らし、この偽りの夜に映えさせよ!』(【ちょー英雄】12頁)

呪文と共に、リブロの体が浮き上がるように発光する。

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『バロックヒート』
三人いるマジックマスターの一人。魔力の宰。力強き尾を持つ王。長い尾を持つ魔術の王。

『まずは君達だ。北の魔法血統の始祖、王国の歴史・稀なる宰相、流浪の鉄色の髪の大賢者、支柱の子供・青玉と黒瑪瑙。
そして、尻尾のある南の王子殿下と、砂漠の王。支柱の子供・乳白の虹。
砂漠の銀の女王と、魔法発明家』(【ちょー薔薇色の人生】45頁)

魔法を発動させようとして言っているのではなく、世界の均衡に関わる者どもを呼んでいるだけ、ですね。いや、かっくいかったんで(笑)

『この世界を支配する全ての律に申し上げる!
これより行うは底なしの密室の召喚。知識の箱と呼ばれしものへの招待の儀である。
eA――Ae――A――eeeeA――
――eA――Ae――A――eeeeA――
――――eA――Ae――A――eeeeA――
――eA――Ae――A――eeeeA――A――
妙なる波、ここに、現れ、表れ、顕れ、それは底なしの密室を顕現させんがため、現れ、表れ、顕れ』(【ちょー薔薇色の人生】102〜103頁)

5人の魔法使い達が、乱れもずれもなく完璧に唱和する。底なしの密室、ガーカ・カーカカーセスを呼ぶ為に。


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