今回は4月1日(日曜日)春風に誘われるようにして大原の音無の滝から大尾山へ登り、水井山・横高山を経て大比叡・四明岳に至り、雲母坂(キララザカ)から修学院駅まで歩いた記録を載せることとします。大尾山は旧京都一中山岳部選定の「山城30山」には、童髯山(ドウゼンヤマ)として記載されています。東海自然歩道では水井山・横高山は歩くようになっていず、前から縦走することが気がかりであったものです。

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出町柳駅を7:45に出発する朽木行きのバスに乗るべく何時ものように家を出て、7:00少し前に出町柳駅に到着する。切符を買いに窓口に行ったら、大原行きは京都駅始発のバスが7:33に斜め前のバスストップから利用出来ると親切に教えてくれる。空いているし12分早く乗れるとのことであった。

8:03に終点大原に到着する。我々二人だけが大原までの乗客であった。例の如くトイレなど済ませて、8:08に出発である。歩き出したら小雪が舞いだした。秋口の北山なら前途に多少の不安を感ずるところだが、春先で天気予報も晴れなので気にしないで先を急ぐ。途中の趣味の紙を売っているお店の前に、アカバナミツマタが栽培されているのが目に入った。自然に生えているのなら当然デジカメの対象であるが栽培物なのでパスする。

ほどなく三千院前を通過し、魚山流声明の来迎院をやり過ごし20分強で音無の滝に到着する。何時の間にか小雪も止んでいる。良忍上人が声明の修行中に滝の音を止めたとの故事からこう名付けられたのだそうである。道標に大尾山45分、比叡山4時間となっている。比叡山では大比叡三角点までかあるいは根本中堂までかはっきりしない。滝の右岸に高巻き風の小道がついていて、谷筋を歩くようになる。春先なので谷筋は結構荒れているが、ルートファインデイングが楽しくなる程度である。5回徒渉をした後でルートは左岸の谷に入り込む。何度か徒渉を繰り返すと、結構大きな滝(高さは音無の滝の半分ぐらいか)が現れる。左岸に高巻き用の桟が掛けられているので問題なく越せる。大凡10回ほど徒渉を繰り返すと右岸から尾根に取り付くようになる。

尾根に取り付き間もなく杉林の間を歩くようになるが、目の良い家内がミツマタの花を発見する。三千院参道の店先でアカバナミツマタの花を見たので、自然のミツマタの花に遭遇するかも知れないと、多少の期待もあったが嬉しい出合いであった。薄暗い林間なので自然発光モードになり、残念ながら得意のマクロモードでは白飛びして気に入った画像にはならなかった。間もなく空が見えだしそこは大尾山の頂上であった。音無の滝から小1時間掛かっていて、道標の45分はややきつい感じである。道も荒れていたし、途中で結構写真も撮ったのでこんなものかと納得する。前日までに降った雪が残り春の山の様子は少しお預けの感ありである。東側の琵琶湖大橋、琵琶湖対岸の長命寺山・E山(キヌガサヤマ)が見える。

頂上で休憩しお茶を飲み軽食を取る。仰木峠を目指して歩き始めて5分程で先頭を歩いていた家内が鹿が3頭見えたと声をあげる。小生は道を横切る後の2頭を見ただけであったが瘠せていず皮膚の艶もあって立派な鹿に見えた。休猟期間の表示も見たがこんなに人里に近い場所で鹿に会うとは感激であった。なにしろ北山で猿以外の生き物に初めてであったのだから。

間もなく舗装はしてないものの立派な林道に下り立つ。一瞬ルートを外したかと思ったが、尾根筋に当るのでそのまま直進すると300-400mほどで分岐点があり、再び林間の心地よい小径に接続する。多少の登りを過ぎると見晴らしの良い尾根筋になる。これから縦走予定のピラミダルな山容の水井山が、大比叡・四明岳をバックとしてきれいに見えてくる。東側には昨年の正月に登った三石岳(サンゴクダケ)も見える。ここから下りになりあっと言う間に仰木峠である。ここは以前に東海自然歩道を歩いた際に通った懐かしの峠である。

この峠からは5分程東海自然歩道を歩くと水井山への分岐となる。気持ちの良い登山路を行くとどんどん高度が稼げ11:28に山頂に到着する。木が茂り思っていた程展望は良くない。昼食にはやや早いし適当な場所もないので先を急ぐ。水井山と横高山の鞍部で日当りの良い場所があったので昼食とする。食後のコーヒーは何時もの事ながら美味である。

ここから僅かな登りで横高山の頂上である。到着は12:30頃。疎林の間から大比叡・四明岳、蓬莱山などが散見する。突然ルートでないやぶからご夫婦が現れる。登山口(敦賀街道)から登って来たとのことだが、途中でルートを外したようであった。急な坂を注意して下りるとそこは再び東海自然歩道であり、峰道・横川・登山口への分岐点である。なお水井山・横高山縦走路は京都北山トレールの一部であるが、前記の通り東海自然歩道はこれを巻いている。

ここから東海自然歩道の峰道で何遍も歩いているルートである。玉体杉からはポンポン山を背景とする京都の街並みが良く見えた。千日回峰をしている行者もここで休んでこの景色を見るのだろう。釈迦堂を過ぎたあたりで拝観受付があるが東海自然歩道を歩いていると申告すれば無料で比叡山延暦寺の境内に立ち入れる。法華総持院横に大比叡の三角点に達する道があるが、若干分かりにくいので若いお坊さんにルート確認をする。山に興味のない人は三角点があるかどうか知らないようだ。

無線塔の先の小さな丘に三角点が鎮座ましましていた。到着時間は14:24であり、音無の滝からの正味歩行時間は4時間27分であった。音無の滝の道標には比叡山まで4時間となっていたが、この4時間は水井山・横高山を縦走せずに根本中堂までと考えたら妥当な正味歩行時間ではないかと思った。展望はまったくと言えるほどないのは極めて残念である。後は比叡山駐車場の横を通り、四明岳に立ち寄る。駐車場の横から残雪の蓬莱山・皆子山・雲取山・桟敷ケ岳・焼杉山・金毘羅山・瓢箪崩山などのワイドで素晴らしい山並が楽しめた。パノラマ写真のためデジカメのシャッターを切ったのは言うまでもない。

後は最早シーズンオフの比叡山人工スキー場の横を通り、ケーブル比叡駅を経由して雲母坂を下って修学院駅に戻るだけであった。雲母坂はかつて比叡山の僧兵が日吉の神輿をかついで強訴する際に通った道と言うが、とても信じられない狭い悪路が介在する。修学院駅には16:24に到着して、本日の正味歩行時間は6時間42分であった。鹿に出合ったりミツマタの花を見たり、自然により触れ合うことが出来たので、一層充実した山行であった。

第01回山行記録バックナンバー(何故山好きに)(2000.09.14)
第02回山行記録バックナンバー(念願の劔岳に登る)(2000.10.15)
第03回山行記録バックナンバー(秋の白峰三山)(2000.12.30)
第04回山行記録バックナンバー(交野山 - 石仏の道)(2001.03.15)
第05回山行記録バックナンバー(懐かしの摩耶山)(2001.04.15)