「ブナ巨木で知られた鍋倉山を歩く」

関東甲信に梅雨入りが宣言された前日の6月5日(土)に、以前から気になっていた飯山市郊外の鍋倉山(標高1289m)に登りました。鍋倉山は新潟県との県境にある山で、ブナの美林特に巨木があることで知られ冬季にはテレマーカーにも人気のある山です。

温井から県道の上越飯山線を利用すれば関田峠(標高1129m)まで車で登れますので登山と言うよりはハイキングの感じですが、鍋倉山の東に広がる巨木の谷にあるブナ巡りをすれば、そこそこの歩行時間がかかります。巨木の谷にある有名な森太郎、森姫の大きさには感動しました。コブブナは平成11年に雪崩で倒木してしまい残された大株と朽ちはじめたコブが見られるだけでした。

巨木の谷を周遊するコースはそれほど分かり難いものではなかったですが、ブナ林の保全のためにあまり容易にアプローチして欲しくないとの地元の意図があるようで、県道からの取り付きにははっきりとした標識は付けられていません。鍋倉山と黒倉山の鞍部から東につけられた山道(今井道と言うようです)を歩けば、標識も完備していて問題なく周遊コースが楽しめるはずです。巨木の周りには立ち入り禁止の縄張りがしてありましたが、根元を踏み固めずに遠くで眺める限りではそれほどの入山拒否をする必要はないかと思う一方、人気が高まりグループツアーの人たちが更に増えたらとの懸念も理解出来ます。環境保全と観光の一環としての開放との間の微妙なディレンマがここにもあります。

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またこの山行記録にかかわる2万5千分の1の地形図(野沢温泉・北西)は国土地理院の地図が参考になります。

6月5日(土)晴 

この日の行動は次の通りである。

関田峠9:48〜10:07筒方峠10:07〜10:38黒倉山10:46〜11:04鍋倉山11:45〜11:57巨木の谷への分岐11:57〜12:20森太郎森姫を経て県道へと県道との分岐12:20〜12:29森太郎への分岐12:29〜12:32森太郎12:32〜12:43森姫への分岐12:43〜12:45森姫(コブブナ)13:09〜13:14尾根直登への分岐13:14〜13:30森太郎森姫を経て県道へと県道との分岐13:30〜13:55巨木の谷への分岐13:55〜14:01黒倉山14:01〜14:43関田峠

8:07に家を出発し、中野市、飯山市を経由して9:30に関田峠に到着した。峠の駐車場は4台分ほどのスペースで、運良く空いた場所に駐車することができた。他に路側に4〜5台ほどの車が駐車していた。若干手前の茶屋池付近にはもう少し広い駐車スペースがあるし、更に下った大神楽展望台にはかなりの駐車スペースがある。

高度計は1070mを示していて、実際の標高から低めの標示となっており気圧は上昇しているようだ。幸先よし。ほとんど勾配が感じられない整備した道を歩くとすぐにブナの林になる。比較的若いブナですらっとした姿は気持ちがよい。贅沢な林間の歩行が続く。

途中で茶屋池への森林浴歩道に入れる分岐を二回やり過ごし20分ほどの歩きで筒方峠に到着する。県道上越飯山線の新潟よりに上筒方なる地名が見られることから関田峠同様古い峠なのだろうと思う。小さな池が見られたが、付近の水溜りにサンショウウオの卵がみられたので、多分沢山のサンショウウオの卵が見られただろう。

筒方峠の先に僅かの登りがあるが、また淡々とした尾根歩きとなる。関田峠より100mほど登った地点からイワカガミ、サンカヨウ、エンレイソウが目につきだす。サンカヨウは雪解けを待って咲き始めた様子で、葉の色と言い可憐な花と言い誠にみずみずしい。やがて北の方角が開けると光ケ原牧場の広々とした風景が望めるが、霞なかりせば日本海も見えたことだろう。

やがて黒倉山の頂上に到着する。明るい頂上であるが見晴らしはあまり良くはなく光ケ牧場方面は開けている。菓子パンを食しお茶を飲む。

黒倉山と鍋倉山との鞍部に巨木の谷への分岐を示す標識があり、下山時にここから巨木の谷に下りられることを知った。黒倉山山頂で出会った二人の男性が巨木の谷に下る道はけもの道のよう見えたと言っていたが、それほどの悪路とも見えなかった。この先残雪が見られ小さな雪田があり、鍋倉山頂上直下の谷筋では100mほどの小雪渓と遭遇する。小雪渓は雪が緩んできていたので登りには問題はない。

鍋倉山には5名ほどの女性パーテイが先着してにぎやかなものであった。頂上からの展望は西側が優れ黒姫山、高妻山、乙妻山、妙高山、火打山が目近に見える。火打山の残雪は妙高山より多く印象的な山容である。南側では高社山の背後に笠ケ岳、御飯岳、根子岳、四阿山などの上信国境の山々が僅か認識できる。

昼食を済ませて下山を開始する。小雪渓の下りを慎重にこなし巨木の谷への分岐から東方向に下る。今までの登山道の整備の度合いと比較にはならないが、取り立てて問題のない山道を下り続ける。20分強の歩きで森太郎森姫を経て県道へと県道への分岐となり、ここでは右の森太郎森姫を経て県道への道を取る。そこから更に10分足らず下るとまた分岐があり、ここでは左の森太郎への道を取る。左折し数分下ると右側に森太郎が堂々とした様子で聳え立っている。幹の小さなコブがいかめしさを添えている。右側に説明板があり、森太郎が森の巨人たち100選に選ばれていて、推定樹齢300年以上、樹高25m、幹周5.34mであることを教えている。

森太郎から先をトラバース気味に歩き続け小さな谷を渡り更に下り続けると丁字路に突き当たる。この丁字路の手前の右側に謙信ブナと呼ばれた倒木の名残があると後で知ったが気がつかなかった。ここを右折して2分ほど歩くと森姫が左手に立っている。ここには説明板は立てられていないが、周囲に縄張りの残骸があり雰囲気から森姫であることが分かる。幹には白小さなコブも見られず優雅なさまは正に姫である。

この先は行き止まりの標示があったが、これもまた雪崩で倒されたコブブナを見るために更に立ち入った。森姫からやや道なりに下ると流れに行き当たる。この流れは上手で二つの小谷に分岐している。左の小谷を詰め右手にある湧き水(極めて美味と言われている)の右上方にコブの部分から折れたコブブナの大株が立っていた。コブの部分は小谷に向かって倒れ半ば朽ち果てていた。コブの上にも幼いブナが生育していて自然の摂理とも言える世代交代が行われている様子が知れた。倒れているコブの上から森姫の全容を撮影したが、上部の一部の枝に葉がついていないのが見え気になることであった。

森太郎、森姫、コブブナを見て巨木の谷の周遊を終わったので、鍋倉山と黒倉山との間の鞍部の巨木の谷への分岐に戻ることにした。いったん丁字路に戻り往路を通らずに直進すると、左手に森太郎森姫を経て県道へと県道への分岐に向かって尾根上につけられた周遊路への取り付きが見つかった。そのまま更に直進すれば県道上越飯山線に出られるのであり、これは普通県道から森太郎などを見にくる場合に歩く道なのである。

本日一番の急登を15分ほど続けたところ森太郎森姫を経て県道へと県道への分岐に登りついた。この尾根道は多分昔から利用されていたものと思われ、斜度の割には苦労のない登りができた。ここの分岐は周遊コ−スの入口とでも言うべきポイント(巨木の谷の分岐から1km)で、我々は左回りのルートを選んだが右回りのルートも楽しめるわけである。登山の目的を果たし意気揚々と巨木の谷への分岐、黒倉山を経て関田峠に戻って食べたグレープフル−ツは、また格別の味であった。

最近山菜採りに目のない家内が根曲がり竹を探したがそこそこの収穫はあったようである。また満ち足りた思いでハンドルを握り、途中中野市で買い物をすませ無事長野市の自宅にたどり着いた。

鍋倉山はやはり巨木の谷を周遊し、森太郎、森姫にお目にかからないと満足のできない山行となる。周遊コースを上手に利用してブナに負荷をかけずに楽しむ仕方を各人が工夫することができれば、もう少し皆が納得できる公開の仕方が考えられるのではないかと思った次第である。

本日の歩行時間はグロスで4時間55分、ネットで3時間42分となった。累積獲得高度は641mと記録されていた。関田峠と鍋倉山の高度差が160m程度であることを考えると、巨木の谷周遊で結構アップダウンがあったようである。ちなみに森姫のある場所の標高は900m前後と見られる。(2004.06.27記)

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第03回山行記録バックナンバー(秋の白峰三山)(2000.12.30)
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第06回山行記録バックナンバー(早春の奥比叡縦走)(2001.04.30)
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第11回山行記録バックナンバー(梨ノ木林道から竜ケ岳)(2001.10.15)
第12回山行記録バックナンバー(秋の鳳凰三山)(2001.10.30)
第13回山行記録バックナンバー(秋の天城縦走)(2001.12.30)
第14回山行記録バックナンバー(大台ケ原散策)(2002.01.15)
第15回山行記録バックナンバー(晩秋の百里ケ岳)(2002.02.15)
第16回山行記録バックナンバー(比叡山の初歩き)(2002.02.28)
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第28回山行記録バックナンバー(比叡山・飯室谷・横川根本中堂)(2003.01.30)
第29回山行記録バックナンバー(大見尾根和佐谷峠より天ケ岳行)(2003.02.15)
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第31回山行記録バックナンバー(獅子窟寺より月輪の滝までの古道を探索)(2003.3.30)
第32回山行記録バックナンバー(愛宕山系の芦見谷の遡行と滝谷の下降)(2003.4.30)
第33回山行記録バックナンバー(湖北の花で知られた赤坂山と三国山山行)(2003.05.15)
第34回山行記録バックナンバー(郷里長野市の市民の山である飯縄山)(2003.5.30)
第35回山行記録バックナンバー(愛宕山三角点と芦見谷)(2003.6.15)
第36回山行記録バックナンバー(梅雨の晴間に大山登山)(2003.6.30)
第37回山行記録バックナンバー(京都北山最深部の小野村割岳登山)(2003.07.30)
第38回山行記録バックナンバー(コウンド谷から小野村割岳登山)(2003.08.15)
第39回山行記録バックナンバー(懐かしの富士ノ塔山と旭山)(2003.08.30)
第40回山行記録バックナンバー(久し振りの北アは焼岳)(2003.09.30)
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第44回山行記録バックナンバー(部屋から見える霊仙寺山)(2004.01.15)
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第47回山行記録バックナンバー(飯縄山にスノーシュー登山」)(2004.03.15)
第48回山行記録バックナンバー(根子岳にスノーシュー登山)(2004.03.30)
第49回山行記録バックナンバー(戸隠古道を越水ケ原まで歩く)(2004.05.30)