「郷里長野市の市民の山である飯縄山」

長野市の善光寺では4月6日から5月31日まで七年に一度の御開帳が行われています。今年のGWには善光寺に詣でて、残雪期の飯縄山(飯綱山とも書くようですが、飯縄山と飯縄神社は「飯縄」と書く慣わしとのことです)を登ることにしました。

飯縄山では1998年の長野冬季オリンピックではフリースタイルスキーとソリ競技が行われました。又長野市では市民の山として親しまれています。2000年6月には登ったことがあり、ヒメイチゲ・リュウキンカ・コイワカガミ・ショウジョウバカマ・ニリンソウ・マイズルソウなどが咲いていたことを覚えています。

これらの花を楽しむことは無理としても、残雪期の山登りと頂上からまだたっぷりと雪をまとった後立山や北信五岳の景観が楽しめることを期待して5月3日に登りました。

この山行記録の写真画像のページに飛びたい場合は、ここをクリックして下さい。

5月3日(土)晴

この日の行動は次の通りである。

長野バスターミナル(戸隠キャンプ場行きバス)8:30〜9:44飯縄登山口10:00〜11:25水場11:29〜12:29飯縄神社12:29〜12:31飯縄神社ピーク12:34〜12:48飯縄山13:34〜13:44飯縄神社ピーク13:44〜14:40萱の宮14:45〜15:36中社鳥居前(長野バスターミナル行きバス)16:28〜17:12城山公園前

バスの時刻表で6:55発の一番は土運休と見誤り、次発の8:30のバスに乗り込んだ。長野駅前で大勢の登山者が乗り込み大型バスはほぼ満席となった。御開帳で善光寺の駐車場付近が大渋滞となり、飯縄登山口には約30分遅れて到着した。いつもなら遅くとも10時前に登山口を出発できるのだが、本日は10時の出発になってしまった。

飯縄一の鳥居までまっすぐにつけられた車道を進む。出発点の標高は1100m程度であった。両側は唐松林で所々にペンションらしき建物が目につく。まだ枯草が多いがフキノトウが見られパートナーは早速ポリ袋を取り出して摘み出す。鳥の声もにぎやかで15分程で飯縄林道に交わり二の鳥居に達する。マイカー登山者はここで駐車をして登りだすので、既に50台前後の車が見られた。GWの土曜日であるので、相当数の登山者があるものと思われた。直ぐに三の鳥居が現れ登山の開始である。

春浅き南登山道には未だ緑が見られない。緩い道を上がっていくと第二の林道に交わり第四の鳥居が見えた。ここまで車で入れるようで鳥居の付近の平らな場所に一台の車が駐車していた。実はバス停の一の鳥居にも鳥居があるので、ここまでで五つの鳥居があることになる。

第四の鳥居をくぐると直ぐに左手に不動明王の像が置かれている。修験道の山らしくここから水場の少し上までに十三仏の石仏が安置されていて、登山の行程の目安ともなっている。ちなみに十三佛とは一不動、二釈迦、三文殊、四普賢、五地蔵、六弥勒、七薬師、八観音、九勢至、十阿弥陀、十一アシュク(アは阿ですがシュクはWordでは該当漢字が入力出来ない)、十二大日、十三虚空蔵である(日本仏像図説 木村小船著)。高妻山に登ると同じく一不動から十阿弥陀が見られる。十一アシュクから先は乙妻山への道に見られるらしい。

いささか殺風景な緩い山道を十三佛を頼りともして登り続ける。道端にはショウジョウバカマ、イワカガミの葉は見られるが花はまだまだである。小さなスミレが一輪咲いていた。三文殊から四普賢が見当たらずに五地蔵に飛んだようである。登山道が分かれてミスしたのかも知れないが、四普賢の石仏が実際存在するかは次回にでも確かめてみたい。尚十阿弥陀と十一アシュクの間に馬頭観音像が見られこれは番外であろう。

十阿弥陀を過ぎると平坦な道となり一息つける。十一アシュクは駒つなぎの場に安置されていた。間もなく水場(標高1600m)でここで休憩とする。右に入ると200m先に千日大夫の屋敷跡があるとの表示があったが先を急ぐことにした。後60分で頂上だとの表示もあり、道の石にも半分登ったとの表記が見られた。尚水場は小さな流れを利用しているだけなので冷たくもなく飲めるだけの感じだ。夏場には涸れてしまうこともあろう。

いよいよ飯縄神社ピーク手前までの急登に入る。ジグザグ道となり露岩が見られる。小さな岩場もあるが付けられている鎖を利用するほどでもない。天狗の硯なる展望所もあったが、春霞で長野市方面も定かには見えない。

急登が一段落して熊笹の原に入り振り返ると戸隠西岳連峰、東山の後に白馬三山が見えてきた。残念ながら春霞で唐松岳と八方尾根までが辛うじて見えるのみであるが、久し振りに見る白馬岳は美しい。時期がやや早いせいか代掻き馬の雪形は完成形ではないようだ。

南登山道と西登山道の分岐を過ぎるとあとほんの少しの登りで飯縄神社である。金属製の鳥居が二基建てられていた。飯縄神社ピーク(標高1909m)からの展望は素晴らしく唐松岳から白馬三山、戸隠西岳連峰、戸隠表山、高妻山、乙妻山、焼山、火打山、黒姫山、妙高山などが一望である。特に残雪をたっぷりとまとった高妻山、焼山、火打山が美しい。

飯縄神社ピークから飯縄山までの鞍部には残雪があり雪上を歩く楽しさを満喫する。飯縄山(標高1917m)は予定を若干オーバーして12時40分過ぎになってしまった。写真撮影のための遅れがかなりあったと思う。飯縄山頂からの展望も素晴らしいものがあるが、時間がたってきているのでガスが増え条件的には飯縄神社ピーク手前は悪くなっている。それでも妙高山、黒姫山などは接近した効果でいくらか見えやすくなっているようだ。北信五岳とは斑尾山、妙高山、黒姫山、戸隠山、飯縄山を言うが(中野市柏屋酒造の日本酒に斑妙黒戸飯なるブランドものがあるとか)、飯縄山頂からは斑尾山も見ることが出来る。残念ながら相変わらず東方向は雲で志賀高原方面はまったく眺望がない。

何時もより遅い昼食タイムとなる。途中のコンビニで購入したおにぎりとおやきは何時もながら美味である。三角点付近で記念撮影をしていた際に、長野五輪のソリ競技の会場であったスパイラルが東の山裾に長々とうねっているのに気がついたので、話題にもなろうかとシャッターを押す。

頂上には50名以上の登山者がたむろしていた。関西弁も聞こえていたので、飯縄山のもかなり全国区の山になっているようでもある。50分近くながいを決め込んだ後に、西登山道を経由して戸隠中社に下ることとした。飯縄神社ピークまで戻り西登山道と南登山道の分岐までは気楽な下山であったが、西登山道を少し下ると残雪が夏道を完全に覆っていて雪原をふみあと頼りに下る状況になった。頂上付近の残雪は傾斜がほとんどないので言わばルンルン気分で歩いていたが、こと下りとなると慎重にならざるを得ない。前後三パーティ計七名が西登山道を選択したが、ほとんどの登山者はマイカー登山のため南登山道をピストンで帰って行った。

幸にも緩んだ雪なので用意した軽アイゼンを履くことも無く、ストックを利用し踵荷重でゆっくりと下る。1600m付近まで残雪のルートをトレースする。残雪が無くなってちょっとほっとするが、今度は雪解け水が登山道を流れていてまるで沢歩きの様相を呈してきた。道端を歩いたり思い切って流れの中に足を踏み込んだりしている内に道が広くなるにつれて流れが消えてしまった。谷筋に流れ込んだ形跡もないので、どうやら道の土に吸収されて伏流水もどきになったようだ。広葉樹が生えている山では保水能力があるのだろう。

普通の登山道になれば後は機嫌よく下るだけである。2000年6月に下った際に小休止した地点もパスして萱の宮まで飛ばす。萱の宮で小休止して飯縄林道に下り立ち林道を右折して忍者村の横を通って中社鳥居前(標高1200m程度)に着いたのは15:40に近かった。折りしも七年に一回(善光寺の御開帳の時期に同じ)の式年大祭が行われていて稚児行列が見られた。

長いこと味わっていなかった戸隠ソバを食べに岩戸屋に向かう。このソバ屋は昭和30年代の初めから我が家の贔屓の店で、戸隠を訪れて時間が許せばこの店のざるソバを食すのが常である。尚薬味は大根おろしと葱に限りワサビは使いません。尚中社の鳥居前の旅館の周りにカンスゲが沢山植えられていたのに気がついた。赤坂山と三国山でも見られて名前を調べたところカンスゲと判明したので、あれこんな所に沢山生えているなと印象付けられたものである。

登山開始が約1時間遅れたこととソバを食べたことで、長野市に戻ったのは17時を過ぎてしまい、とうとう前立御本尊の開扉時間に間に合わず回向柱に触れるだけの善光寺参拝になったしまったご粗末でした。

本日のグロス歩行時間は5時間36分、ネット歩行時間は4時間38分、累積獲得高度は飯縄山頂上までで914mとなっていた。花には出合わなかったが残雪期の登山を楽しんだ今回の山行であった。(2003.05.10記)

尚このページに他のホームページからのリンクでアクセスしたが目的とする内容が見つからない場合は、既にバックナンバーに納められているので下記のバックナンバーから目的とする内容にアクセスして下さい。

以下をクリックすると希望のページに移れます。

ご挨拶 登った山々 アルバム パノラマ 日ごろ思うこと リンク集 私の趣味

第01回山行記録バックナンバー(何故山好きに)(2000.09.14)
第02回山行記録バックナンバー(念願の劔岳に登る)(2000.10.15)
第03回山行記録バックナンバー(秋の白峰三山)(2000.12.30)
第04回山行記録バックナンバー(交野山 - 石仏の道)(2001.03.15)
第05回山行記録バックナンバー(懐かしの摩耶山)(2001.04.15)
第06回山行記録バックナンバー(早春の奥比叡縦走)(2001.04.30)
第07回山行記録バックナンバー(めずらしく九州の山 - 由布岳)(2001.05.15)
第08回山行記録バックナンバー(八淵ノ滝から武奈ケ岳)(2001.05.30)
第09回山行記録バックナンバー(大普賢岳より七曜岳まで) (2001.06.15)
第10回山行記録バックナンバー(権現山より蓬莱山まで)(2001.07.15)
第11回山行記録バックナンバー(梨ノ木林道から竜ケ岳)(2001.10.15)
第12回山行記録バックナンバー(秋の鳳凰三山)(2001.10.30)
第13回山行記録バックナンバー(秋の天城縦走)(2001.12.30)
第14回山行記録バックナンバー(大台ケ原散策)(2002.01.15)
第15回山行記録バックナンバー(晩秋の百里ケ岳)(2002.02.15)
第16回山行記録バックナンバー(比叡山の初歩き)(2002.02.28)
第17回山行記録バックナンバー(雪のダイヤモンドトレール)(2002.03.15)
第18回山行記録バックナンバー(雪の上高地・乗鞍高原)(2002.03.30)
第19回山行記録バックナンバー(大原の山々縦走)(2002.04.15)
第20回山行記録バックナンバー(リトル比良)(2002.05.15)
第21回山行記録バックナンバー(山田牧場・志賀高原・鬼無里村)(2002.06.15)
第22回山行記録バックナンバー(浅間山系の前掛山・黒斑山)(2002.07.15)
第23回山行記録バックナンバー(根子岳・四阿山)(2002.8.15)
第24回山行記録バックナンバー(薬師岳・黒部郎岳)(2002.09.15)
第25回山行記録バックナンバー(鹿島槍ケ岳・爺ケ岳)(2002.10.15)
第26回山行記録バックナンバー(荒川三山・赤石岳)(2002.11.15)
第27回山行記録バックナンバー(住塚山・国見山)(2002.12.15)
第28回山行記録バックナンバー(比叡山・飯室谷・横川根本中堂)(2003.01.30)
第29回山行記録バックナンバー(大見尾根和佐谷峠より天ケ岳行)(2003.02.15)
第30回山行記録バックナンバー(葛城山より竹内峠までの縦走)(2003.3.15)
第31回山行記録バックナンバー(獅子窟寺より月輪の滝までの古道を探索)(2003.3.30)
第32回山行記録バックナンバー(愛宕山系の芦見谷の遡行と滝谷の下降)(2003.4.30)
第33回山行記録バックナンバー(湖北の花でられた赤坂山と三国山山行)(2003.05.15)