「愛宕山系の芦見谷の遡行と滝谷の下降」

桜の時期は過ぎつつあり、いよいよ本格的な春山のシーズンとなりました。開幕として会社OBと三人のパーティで大杉(谷)コースから地蔵山に登り首無地蔵を経由して梨の木林道に下る計画を立てました。一昨年の秋に道に迷って竜ケ岳から滝谷に降りてしまいましたが、滝谷の手付かずの様子に好印象を持ちました。地蔵山よりの下りに滝谷に下りて芦見谷川の合流点まで下降したら素晴らしいのではないかと考え、多少無理なルート設定をしようとしました。実のところ滝谷については、竜ケ岳から下り立った地点と地蔵山手前の反射板地点(917m)に上がる地点までの歩行経験しかありませんでしたが、アマゴ釣り人が遡行してきているのでそれほど下降は難しくないと思っていたのです。実際下見してこの考えが甘かったのを知りました。

又「山城三十山」なる本に古い引用として梅棹忠夫氏の芦見谷礼賛が記載されているので、ついでに芦見谷の遡行も試みました。こちらの谷は一般ルートに近い難易度と思われ楽しく歩くことは出来ました。

そのようなわけで今回は山頂を踏むことの面白い山行記録となりました。

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4月6日(日)晴

この日の行動は次の通りである。

京阪三条駅(京都バス清滝行)6:54〜7:47清滝7:48〜8:19月輪寺道入り口8:20〜8:48梨木大神前8:52〜9:29首無地蔵9:33〜9:45竜の小屋9:48〜9:56竜ケ岳登山口分岐〜11:23竜ケ岳への尾根11:23〜11:34地蔵山取り付き11:34〜12:01地蔵山反射板地点(917m)12:31〜12:45滝谷源頭12:47〜13:33標高650m付近13:38〜14:05芦見谷川合流点14:15〜14:51竜の小屋14:51〜15:02首無地蔵15:02〜15:38地蔵の辻15:38〜15:42月輪寺道15:42〜16:44月輪寺道入口16:52〜16:58大杉(谷)コース取り付き17:12〜17:35清滝(京都バス京阪三条行)17:44

地蔵山の手前の917m地点までの往復でも結構時間がかかる上に、芦見谷の遡行と滝谷の下降が加わるので、長時間歩行が予想され自宅発は始発バスの利用となった。京阪三条でバス停に上がると、目の先に清滝行きの京都バスが発車待ちをしていたので、早速乗車する。車窓より満開の嵐山の桜を見る余禄がありほぼ予定通りに清滝に到着する。下車した登山者は早朝のせいもあり15名前後であった。

トイレを済ませて早速出発する。何時もは渡猿橋を渡るのだがずぼらをして左岸を歩き上流の橋を渡る。いくらか肌寒い感じだが歩くに連れて手も暖かくなる。ほどなく月輪寺道の入口に到着するが写真撮影の時間のみ取り梨の木林道に入る。舗装道路で趣の無い林道だが朝にきれいな空気を吸いながらのんびり歩くのも悪くはない。途中で二条から来た単独登山者と一緒になり、話を交わしながら歩を進める。彼は首無地蔵を経て芦見谷に入り三頭山(ミツズコヤマ)に登るつもり語っていたが、気分によってルート変更もある雰囲気であった。後で知ったが私よりも10歳若いので、もっと早く歩けるはずなのに梨木大神までは同行いただけた。

梨木大神よりは先発したが、林道の終点から谷道に入って休憩小屋のある辺りで追い抜かれてしまい首無地蔵には先着されてしまった(当然でしょう)。首無地蔵から竜の小屋まで再び同行することになったが、平坦な道ゆえついて行くのは苦労ではなかった。

竜の小屋前でお別れしたが、さりげなくホームページのPRをしたところ年寄りが開いているホームページに興味を寄せて、一度アクセスしますとのことであった。お名前は「野村さん」と仰っていた。遅れて芦見谷川を渡り芦見谷に入り込む。渡渉点を右に入ると竜ケ岳山頂に行ける。

芦見谷は確かに雰囲気の良い谷で、早速きれいな流れの谷の写真を撮る。三回渡渉繰り返すと右岸に高巻き道が見えてきた。道なりに歩いていくとどんどん谷を離れ、谷より30m以上の高みに達するに及んで、もっと谷の側にふみあとがあるのではないかと不安になり、戻って谷沿いの僅かなふみあとをトレースする。目の前に高さ10mの近いと思われる滝が現れた。早速スローシャッターで撮影し右岸が高巻けないかとルートファインデングを試みる。何とか高巻けたと思いきや大岩の先でふみあとが崩壊しているではないか。ここでやはり手前からの高巻き道をフォローすべきと考え戻ることとした。登りは出来ても下りは難しくいばらに苦しめられながら手前の高巻き道に戻った。

この滝を高巻いたら後は特別に問題となる場所もなく、約20回渡渉を繰り返したら最後の谷の分岐となった。左に入れば愛宕山の三角点に到達するが右はどこに登りつくか興味もあり右を取った。直ぐに樋状の涸谷となり分岐していたが左手の大きな涸谷をせっせと登りつめる。最後はやぶこぎになったが飛び出した地点は裏参道から竜ケ岳の向かう尾根であった。

この地点から裏参道に戻り地蔵山取り付きに向かう。地蔵山取り付きには道標があったと記憶していたので最初の分岐は無視して先を急ぐ。地蔵山の道標が見えた地点での南から西にかけての展望が素晴らしかった。小塩山・ポンポン山・竜王山・石堂ケ岡から妙見山・鴻応山・歌垣山・半国山・剣尾山・半国山及び手前に牛松山・霊仙ケ岳・黒柄山などが同定可能であった。

取り付きから入ったのは良かったが、途中で北に向かう笹の中の道を見落とし、気がついたら最初の分岐に戻っていた。あわてて戻りかけたところ右手の元スキー場の笹原からご夫婦が飛び出して来た。彼等も地蔵山への道を見落としたらしい。右手を注意して歩くと直ぐに地蔵山への道が見つかった。5年前の1月に地蔵山に登っているのだが、その記憶は当てにならなかった。

ご夫婦も後について歩いているのでいささか責任重大だが、アップダウンを繰り返しながら間違いなく地蔵山に近づいている。おりしも正午のサイレンが遠くで鳴っている。首無地蔵辺りでおにぎりの一個でも食しておくべきであったが、今回の食べ物の取りかたは失敗であった。いささかシャリバテ気味で地蔵山の反射板地点(917m)に到着して早速昼飯とする。

食事をしている最中に首無地蔵でお別れした野村さんと再会出来た。彼は三頭山に行かずに竜ケ岳に登り滝谷に下って地蔵山を目指して登って来たが、直接地蔵山に登れずに917m地点に着いたものである。一昨年我々夫婦がたどった道を歩いてきたわけである。

先を急ぐので食事時間は30分で切り上げ、直ぐに滝谷に急降下する。15分ほどふみあとをトレースしたら滝谷の源頭に下り立った。谷の分岐の若干下の地点で、後で下流で出会ったアマゴ釣り人の言によれば、彼等は谷の最終分岐までは遡行するとのことであった。

下り立った地点はおとなしいくきれいな谷の様相を示し、のんびりとくつろぎたい気持ちになる。少し右岸を下ると小さな滝があった。高巻くほどでもない。下り立った地点から10分ほど下ると一昨年竜ケ岳から迷って下りた地点に到達する。この辺りまでは厳しい谷の様相は示していなかったが、この地点から下流では結構な滝が二つあり、慎重な下りを要する。いずれも右岸を下るが木の根などを頼りに崩れやすい斜面をトラバースしたりする。二つ目の滝には流木がダンゴ状に固まって滝の中央部をふさいでいたり、まったく人の手が入っていない感じである。三つもの滝は高さが10m近くあるだろうと思われなかなか立派なものだ。

三つめの滝を下り左岸に渡渉した地点で目前の緩やかな流れを見つつ缶コーヒーを飲む。5分休憩で少しは元気を回復するが、どうやら日ごろ使わない筋肉を刺激したようで両膝上部内側の太腿部分が張ってきた。

気を取り直し降下を続けると、やれ嬉やアマゴ釣り人と遭遇する。色々と話をするが、後20〜30分の歩行で芦見谷林道に出られるとのことであった。彼は尼崎から釣りに入っているとのことで、本日の釣果はこものが数匹とかでここで釣りを止めて林道まで同行してくれることになった。滝谷(芦見谷川)にはアマゴの稚魚を放流しているとのことで、彼はこの滝谷で最長29cmのアマゴを釣った経験があるそうである。ここからも渡渉はあったが足場もしっかりしていて問題なく芦見谷川の合流点に到着出来た。彼との遭遇はまあ地獄に仏の感じではありました。尚アマゴ釣り人は谷に関しては立派な登山者であることを再認識した。

芦見谷川をジャブジャブ渡渉し(気がついたら少し上流部分に立派なステッピングトーンがあったが後の祭り)、林道を歩き再び芦見谷川に沿って竜の小屋を目指す。この芦見谷川に沿った小道も趣があり良いルートを構成している。竜の小屋で再び美味しい水を飲み元気をつけて首無地蔵に向かう。

時間の余裕もなくなってきたので首無地蔵はパスし地蔵の辻に向かう。地蔵の辻までの尾根道はアップダウンがあり若干登りなので疲労した脚にはきついものがあった。地蔵の辻もパスし、月輪寺道をひたすら下る。月輪寺でも水をご馳走になり整備されて歩きやすくなった道をどんどんと下る。途中脚を引きずりかげんな男性を追い越し、下りが下手と自称する割には快適に下れた。

大杉谷の瀬音が聞こえてやれやれの思いである。やがて月輪寺道入り口に到着した。普通はここから一路清滝に向かって下山となるが、本日は大杉(谷)コースの取り付きを確認する必要があり、月輪寺道入り口付近とキャンプ場跡付近で探索を行い、清滝に帰り着いたのは17時30分を若干越していた。直ぐに京阪三条駅行きの京阪バスに乗れたのはラッキーであったが、花見客が多い交通状況から京阪三条駅まで何と1時間30分もかかってしまった。

滝谷の下見の結論としては滝谷は地蔵山登山の帰途に取るべきルートでなく、滝谷の降下を目的として十分なる時間を予定してかかるべきだと言うことである。また芦見谷は確かに魅力的な谷であり、注意しさえすれば一般ルートとして歩ける谷である。現に遡行中に愛宕山三角点から下って来たと思われる女性を交えたパーテイと出合っている。

本日のグロス歩行時間は9時間47分、ネット歩行時間は8時間26分、累積獲得高度は1375mである。累積獲得高度は思いがけないほど高かったが誤差は少ないと考える。(2003.04.25記)

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第11回山行記録バックナンバー(梨ノ木林道から竜ケ岳)(2001.10.15)
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第14回山行記録バックナンバー(大台ケ原散策)(2002.01.15)
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第30回山行記録バックナンバー(葛城山より竹内峠までの縦走)(2003.3.15)
第31回山行記録バックナンバー(獅子窟寺より月輪の滝までの古道を探索)(2003.3.30)