2月11日の建国記念の日(戦前は紀元節と言いました)に大阪府下最高峰(標高1056m)で樹氷で知られた金剛山に登り、紀見峠まで新雪におおわれたダイヤモンドトレールの一部を縦走し、久しぶりに雪の感触を味わいました。ダイヤモンドトレールはダイトレと略称され、北の屯鶴峰から南西の槙尾山に至る大阪・奈良・和歌山の県境に伸びている全長45kmに及ぶ縦走路で、金剛葛城自然歩道としても知られています。屯鶴峰を基点とすれば今回のルートは第2レグ又は第3レグに相当するでしょうか。

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2月11日 (雪)

昨年の4月に会社のOB三名で、金剛山頂上に至るルートは本日と異なっていたがダイトレの縦走を経験しているので、そのスケジュールを参考にして、JR長尾・京橋・天王寺・近鉄阿倍野・富田林を経て金剛バスに乗り登山口に向かった。長尾発6:26の普通に乗ったが、接続が順調で富田林で8:05発のロープウエイ駅行きをキャッチすることが出来た。

大阪市内では曇りながら時々薄日も差していたが、千早赤阪村に入る頃から白いものがちらついて来た。8:38に登山口に到着したが乗客の約半分の15人ほどが下車した。残りの人々はロープウエイのちはや駅経由でロープウエイ利用、又は伏見峠から山頂を目指すのであろう。

こぎれいなトイレで用をたし降雪に備えてフード付きのヤッケを着込むが、軽アイゼン・スパッツは不用と判断し、8:57に千早本通ルートで登山を開始する。バス停(高度計は標高は約500mを示していた)から上手に数十メートルも歩くと左手に千早城跡に向かう石段が見える。新雪が数センチ覆っているが歩きにくいこともない。千早城跡との標高差130mほどの石段を敬遠してバス停下手からの登山道を歩く人が多いようで、こちらの道は閑散としたものだ。

9:11に千早城跡に到着する。ここは既に一面の銀世界で、雪上歩行の心地よさが感じられる。見通しも悪いので小休止もそこそことし9:14に出発である。千早神社の右横に登山道が開かれ、しかも雪上にしっかりとふみあとがつけられているので気が楽な登高である。間もなくコンクリート造りの展望所が見えたが、展望がまったくないのと気温が低いのでパスする。

階段の少ない気持ちの良い登山道を進むと、バス停の下手の登山口からのルートに合流するが急ににぎやかな雰囲気になる。楠木正成公の首塚に気がつくことなく尾根道を進むと9:47に一本木茶屋の前に出る。よく知られた茶屋のようであるがここもパスして前を目指す。この辺りから木の階段が急になり、子供連れの家族などは足がそろわず大変だ。大人は山登りのペースを理解していても、元気な子供はゆっくりとしたペースで歩くのは苦手の様である。元気にまかせて早く登り、くたびれたのか家族を待つのか休憩が多過ぎるようだ。山登りとはこんなものだと、子供にもゆっくりしたペースで登ることを教えるべきではないだろうか。

この急坂で時折どろんどろんと太鼓を叩いているような音が聞こえたが、子供が引きずるソリが階段にぶつかって発するものだった。10:09に左手が開け尾根道に到着し、苦しい階段の急坂を登るのは終わりに近づいたようである。高度計は964mを指していた。早朝登山を果たした登山者が続々と下りてくるが、降雪を嫌ってか傘をさしている人が結構多いのに気がつく。気温が低く粉雪の場合は傘などささずに雪にまみれて歩くほうが気分が良いと思うのだが、早朝登山を旨とする人でも降雪には傘をさすのかなあ。

間もなく道が二分し右は急坂、左はなだらか坂とあるので、見栄を張ることなく左を取る。10:25に頂上社務所前に到着する。国見城跡への道に近い側からの頂上社務所到着で、昨春妙見谷をつめた際には、最後に右急坂の道に合流し反対側から頂上社務所に到着していたようだ。到着時間は10:25で、途中の千早城跡での休憩時間3分を差し引くとネット歩行時間は1時間25分でほぼ標準時間のようである。高度計は1089mを指していたが、30m以上の誤差があった。尚「日本の山岳標高一覧」 国土地理院によれば金剛山の標高は1056mとされ、湧出岳の1112mを金剛山の標高とするのは高さに拘り過ぎのようでもある。

ここの広場には沢山の登山者がたむろしていて思い思いに昼食を楽しんでいる。早速風があまりあたらないベンチを探し、おにぎりの昼食とする。朝飯の時間が早かったので10時半でも美味しくおにぎりが食べられる。腹が減り過ぎて食事が取れなくなることを、長野の表現で「腹がすきっこじて食べられない」と申します。広場の気温は-5℃と電光表示されていたが、小生の高度計の温度は-3.8℃を示していて当らずと言えども遠からず。トンネルのある雪の小さな丘も作られていて子供達は中に入って大喜びしている。

11:02にいよいよ本日のイベントの雪のダイトレ縦走開始である。正式のダイトレは葛木神社の一ノ鳥居付近で合流しているので、そこに至るまで転法輪寺・葛木神社・ブナの林を歩く。一ノ鳥居付近からはロープウエィを利用して葛木神社・頂上社務所に行こうとする人々が多く、挨拶が出来る山の道の雰囲気はまったくない。府民の森 ちはや園地を過ぎ伏見峠手前まではそのような状況が続く。念仏坂の背後にきれいなブナの樹氷が見える辺りから徐々に登山者の世界に復帰し、伏見峠を過ぎたらダイトレの世界である。久留野峠(即ち紀見峠)から歩いて来た単独行の男性に紀見峠までのルートは踏み込まれているか否か質問したところ問題ないとの返答を得て、エスケープルート(久留野峠又は千早峠)を利用することなく紀見峠までの縦走を決心する。

久留野峠まではロープウエイ ちはや駅前の林道を歩いて来る登山者に遭遇することがある。こちらのルートの方が頂上社務所までの歩行時間はやや長いので、むしろ山慣れした人達が多いのかも知れない。そう言えば昨春のダイトレ縦走時に、久留野峠へ登ってくるルートのどこかにカタクリの群生があるとか聞いている。

久留野峠の手前で8人ほどのマウンテンバイクの若者に出会った。全員元気一杯で頂上を目指し、可能なルートを選んで山下りをする予定とのことであった。積雪があってもスノータイア仕様なので問題はないとのこと。ホームページに掲載するからとデジカメ撮影の許しを請うと全員Vサインで答えてくれた。若いエネルギーに圧倒されながら、近頃の若者もまんざら捨てたものではないの思いがするのであった。

12:18に久留野峠に到着したので3分休憩し12:21に出発する。気温が低いのでは発汗も少なく疲労はしないのに加えて身体を動かさないと寒さが一層感じられるのである。中葛城山までの急な木の階段は今回はそれほど厳しく感じることなくクリアーする。これ以後これほどにきつい登りはないはずである。中葛城山は昨春の風景と様変わりでモノトーンに静まり返っている。周囲の山望は降雪でまったくままならない。

千早峠まではクマザサの道だが、新雪で覆われて様子が変わっている。たいしたアップダウンもなく高谷山を過ぎて13:15に千早峠に到着である。その昔に天誅組がこの峠を越えて五条の代官所を襲撃したと史実がある。確かに今でも千早と五条方向に立派な峠道が残されている。ここを過ぎたらエスケープルートはなくなり、ひたすら紀見峠まで歩き通すだけと自家製の大福を一つずつ食べて元気をつける。10分休憩し13:25に出発する。久留野峠からつかず離れずの男性単独行者はここで先行した。

杉林の道を進むとやがて神福山への取り付きを過ぎる。降雪のせいもあり暗くて何とも陰気な感じである。意識することもなく金剛トンネルの上を通過する。神福山への取り付きを過ぎて3分ほど歩いた場所で、突然左手西南方向が開け五条市が見えた。見晴らしが良ければこの方角に八剣山・弥山・稲村ケ岳・釈迦ケ岳などの大峰山系が望まれる場所である。ここで紀見峠から登ってきた男性二人の登山者に出会った。

五条市が望める場所から更に8分ほど歩いた地点で、今度は右側が開け岩湧山をかなり明瞭に見ることが出来た。展望がきいたこの時間帯は降雪も少なくなっていたようだ。

14:05に行者杉をパスする。先行した男性単独行者は休憩所で一服していたが、その後紀見峠駅で会うこともなかった。行者杉は山頂と紀見峠の中間地点とされているが、ここまで来たらかなり歩いて来たなの印象が強い。これ以後はたいした登りもなくただひたすら歩を進めるだけである。

14:26に杉尾峠をパスし少々の登りを過ぎると「山頂社務所から10km 紀見峠まで4.7km」と記された小さな道標が目に入る。これで見通しがついてようでホット一息。紀見峠まで1.5時間も頑張ればとの思いである。これで本日の歩行距離は、登山口から頂上社務所までが3kmであるから、合計して18km弱となることが分った。なお帰宅してガイドブックでチェックしたら紀見峠まで4.9kmとなっているので、4.7kmは小生の見間違いの可能性大である。どちらが正しいのかご存知の方いらしたら、お知らせ下さい。

再び降雪がきつくなり辺りも薄暗さを増した状況下を辛抱強く歩き続ける。15.:01に西ノ行者をパスする。道標を撮影したが降雪が激しく辺りも暗く、どんな写真になるかと懸念した。しかし結果は好評を得た作品となった。アルバムのページをご参照下さい。

西ノ行者の後鉄塔を過ぎると嫌な急な階段の下りが待っていた。膝に負担を懸けないようにストックを最大限に利用して、ゆっくりと下る。高度はぐんぐん下がり、水場とか言われる小さな流れを越すとやっと山ノ神に到着である。時に15:45でここまで来ればもう大丈夫と安堵の思いである。おりしも夕暮れ近くと言えども薄日も差して来て本日の健闘を祝してくれるようだ。10分ほど休憩し残りのお茶などを飲む。単独行の男性が追いついて来た。彼は登山口を10時に出発したと言うから、我々より約1時間の短縮でありかなりの健脚とお見受けした。

15.:55に山ノ神を出て紀見峠を経て紀見峠駅に向かう。矢倉脇橋の手前で道標を見誤り谷沿いに入り込み5分ほどロスをしたが、何とか紀見峠駅に到着したしたのは16:47で、紀見峠での写真撮影時間を考慮しても疲労が出て少々ペースダウンしたようだ。

本日の歩行時間はグロスで7時間50分、ネットで6時間42分で結構なロングコースであった。ネットの縦走時間は5時間17分となっている。今回の山行では久しぶりに新雪の山道を歩けて誠に楽しかった。特に準備はしてあったがアイゼンなしで多少は滑る雪の感覚を味わいながら縦走が出来たのは良い経験であったと思っている。冬の金剛山を登るには軽アイゼンとスパッツは必携とされるが、状況に応じてアイゼンなしで歩くのも面白いのではないだろうか。(2002.02.25記)

第01回山行記録バックナンバー(何故山好きに)(2000.09.14)
第02回山行記録バックナンバー(念願の劔岳に登る)(2000.10.15)
第03回山行記録バックナンバー(秋の白峰三山)(2000.12.30)
第04回山行記録バックナンバー(交野山 - 石仏の道)(2001.03.15)
第05回山行記録バックナンバー(懐かしの摩耶山)(2001.04.15)
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