約2ケ月間の山行の中止は心の張合いも失わせること極めて大でありました。目の調子もぼつぼつと良くなり気力も充実してきましたので、家の近所の甘南備山に出かけリハビリなどしていました。それなりの見通しがつきましたので、9月23日の快晴を吉兆として京都北山の竜ケ岳に登ってきました。竜ケ岳はポピュラーな愛宕山の北約1.7kmにあり、標高921mの比較的自然が残された山です。6時間ほどの実歩行時間でしたが、別段問題なくクリアー出来ましたのでこれで秋の山が又楽しめそうです。

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今回は出町柳駅まで出ることなく、京阪三条駅から京都バスに乗り清滝に向かう。7:36分発と時間が早いせいか登山者は他に夫婦のパーテイが一組見られるだけであった。

早朝ながら既に観光客が大勢見られる嵐山を過ぎ8:26に清滝バス停に到着する。トイレを済まして8:28にバス停を出発し、渡猿橋を渡り清滝川の右岸を東海自然歩道を経て月輪寺登り口(梨ノ木林道分岐)に9:08に到着する。途中コンタクトレンズを紛失して探している下山者に出会い、心やさしきパートナーの言い分で10分の期限付きの捜索に協力したことを考慮すれば、まずまずの出だしであった。

梨ノ木林道は今まで歩いたことはなかったが、林道の端には秋の山野花が結構目につきデジカメの出番が多くなる。目の効くパートナーがヤマジノホトトギスを目ざとく見つけ、更にはマルバダケブキ、ゲンノショウコ、ミゾソバなども目に入る。写真撮影をしていてついつい足が止まっている折に夫婦のパーテイが追いついてきた。本日のコースを尋ねたところ月輪寺から愛宕山に登り水尾に下り保津峡を経て清滝に戻るロングコ−スを予定しているとのことであったので、ルートが間違っていることと保津峡まわりはきついので愛宕山からは表参道経由で清滝に下山することをアドバイスする。

10:10に梨ノ木林道から首無地蔵に至る谷筋に入る。今回の山行で急登はこの谷と竜ケ岳の最後の登りと理解していたが、2ヶ月のブランクもありなかなかきつく感じた。雰囲気のある谷筋を楽しむ余裕はあまりなかった。首無地蔵到着は10:44で京都バスのハイキングマップの所要時間35分に近く、谷筋の取りつきの道標に所要時間30分とあったのにはかなり遅れてしまった。首無地蔵で10分の休憩を取る。ここまでコンタクトレンズの捜索で10分、梨ノ木林道の写真撮影で10分ほどを費やしたが初めての休憩である。クリームパンを食しお茶を飲んでリフレッシュする。ここまでの歩きでそれほど登山能力は低下していないこと確かめられたが、心肺機能とバランス感覚がやや悪くなっている印象であった。

ここ首無地蔵は愛宕山、高雄、清滝、ダルマ峠、芦見峠への道が分岐していて、何時もはにぎやかな峠である。今回は時間がやや早かったので、高雄から谷山林道を車で上がって来たと思われる平服の一行が愛宕山を目指して過ぎて行っただけであった。最後の二人が竹の棒に仲間の荷物をつるして担って歩いていたのは傑作であった。

10:54に竜ケ岳を目指して出発する。竜ケ岳への道は芦見峠に向かう小さな流れに沿った林間の小道を経由する又はダルマ峠に向かう林道を経由するの二つのルートがあるが勿論林間の小道を選択する。500mほど気持ちの良い水平道を歩くとダルマ峠への林道経由の道に合流し、ここで初めて竜ケ岳の姿を拝することになる。木々の上に独立峰とも見間違うほどすっきりとした山容を現している。早速デジカメのシャッターを押す。直ぐにトタン作りの竜の小屋が現れたので、声を掛けるが返事はない。現在は使用されていないように見えた。

再度竜の小屋の左手の芦見峠に向かう小道に入る。この先で芦見谷の源流を徒渉しなければならないので、左の様子に注意しながら前進する。僅か歩くと左手が開け徒渉点らしき場所に出くわす。よく見ると流れの小岩の上の枝に竜ケ岳と書いた白い布切れが見えるではありませんか。ほっと一安心して徒渉をする。直ぐに分岐があり右は竜ケ岳への取りつきで左は芦見谷を経て愛宕方面へである。

芦見谷は「山城三十山」で梅棹忠夫氏がその素晴らしさを力説しているのを読んだことがあるので興味津々であったが、今回の目的は竜ケ岳登山であるので、勿論右の竜ケ岳への取りつきを選ぶ。直ぐに尾根に向かう直登がはじまる。本日の二番目のつらい登りであるが、道の左右にシャクナゲが沢山生えているのに気がつく。5月の連休の前後にはさぞや見事な花をつけることだろう。道なりに右に曲がり後はピークを目指して尾根筋をひたすら登る。二度ほど立ち休みをして11:55に頂上に到達する。

首無地蔵から1時間1分の所要時間であったが、京都バスのハイキングマップの所要時間は1時間5分となっていて、それを参考にしたらまあまあと言ったところか。そうこうしていたら首無地蔵への谷筋の登りで足取りも軽く我々を追いぬいていった夫婦のパーテイが頂上に到着する。不思議に思い不躾ながらそのわけを聞いたところ、芦見谷の徒渉点を見落として芦見谷林道まで行ってしまったとのことであった。

竜ケ岳の頂上は木が茂っていて展望はよくないとさるガイドブックに書いてあったのであまり期待していなかったが、部分的に木が伐採されていて南方向愛宕山、東方向比叡山、西方向地蔵山と結構な展望が楽しめた。比叡山から愛宕山まで約90度のパノラマ画像の原画も撮影出来てこれは大収穫であった。快晴なるも山望としては音羽山・千頭岳程度までで今の時期としては止むを得ないところだろう。部分的に木を伐採してあるのは登山者の展望への配慮で自然保護を若干犠牲にしたものであるが、私としてはこの配慮には大賛成である。

昨秋鎌倉山から峰床山に登った際に、鎌倉山からの武奈ケ岳の展望があまりよくなかったので、仲間に回りの木を伐採してくれたら良いのにとぼやいたところ、他のパーテイのリーダーにそんなに山望にこだわるなら長老ケ岳でも登りなさいとたしなめられたのを思い出した。彼女は自然保護派であったのだろう。最近山で聞いた話では長老ケ岳でも木が成長して展望はあまり効かなくなったのとのことである。ああままならない世の中よ。

今回は竜ケ岳を下山したら地蔵の辻、裏参道出合、大杉谷を経て清滝に下りるだけなので時間的にも余裕があり、おにぎりを食べコーヒーを沸かしてゆっくりとした時を過ごす。記念写真を撮り頂上を出発したのは12:56であった。なお頂上では会った登山者は夫婦以外に南の竜ケ岳登り口から登ってきた単独行の男性二人のみであった。

ここまでは問題のない山行であったのだが、梨ノ木林道を月輪寺への道と間違えた夫婦、芦見谷の徒渉点を見落とした夫婦を笑えないようなルートミスをしてしまった。頂上からは尾根をほぼ南方向に歩けば問題なく竜ケ岳登り口に出られると気楽に歩き出した。熊笹の道を過ぎ小さなピークを越したところが結構広い平地になっていた。ここで滝谷方向に入ってしまい気がついたら滝谷の右岸に降り立っていた。平地でもっと左にルートを取りあくまで尾根をはずさずに下るべきであったのだ。途中でテープの標識を追っていったのだが、思いも寄らぬ悪路と下りが長すぎるのに、もっと早くに気づくべきであった。滝谷方向のルートを取ったことも含めてどうやら山歩きの勘も鈍っていたようだ。初めて歩く道が下山ルートである場合は十分なる注意が必要であり、竜ケ岳登り口からのピストン登山なら先ず起こさないミスとは思うが貴重な経験であった。

滝谷にはアマゴ(オリジナルの山行記録ではヤマメとなっていたがアマゴが正しいので訂正する。2003.04.07)釣りの釣り人が入山していて話をしたところ、下流から登って来ていてここから上流には登ったことはないが、愛宕方面に向かう登山者には会ったことはあるとのことであった。彼は自慢気に25cmは越す黒光りした大物のアマゴを見せてくれた。滝谷に沿って左岸を遡りしばらくすると右手の山への直登ルートが見つかった。竜ケ岳への登りに劣らない厳しい道を約200m登り返したところそこは地蔵山の前山(標高917mで反射板の設置場所)であった。地蔵山には98年1月に愛宕山経由で登っているので、ここまでくればもう安心である。時に14:15であった。

参考までにルートミスに関して地図を添付する。黄の点線は首無地蔵から竜ケ岳頂上までのルート、黒の点線は竜ケ岳の頂上から竜ケ岳登り口までの正規のルートであり、赤の点線はミスをして滝谷に下り地蔵山前山に登り返したルートである。

その後14:35に竜ケ岳登り口を通過した。途中で竜ケ岳山頂では撮影出来なかった東北方向の蓬莱山の写真を撮り、月輪寺への裏参道出合には14:56に到着する。京都バスのハイキングマップによれば竜ケ岳山頂から裏参道出合まで55分とされているが、今回地蔵山の前山まで歩いてしまって2時間を要したので、65分余分に歩いたことになる。ご苦労様でした。

裏参道出合から清滝までは大杉谷の上の水場(標高460m付近)で10分の休憩をしただけで、ただひたすらに下った結果清滝帰着が16:27であり、所要時間は1時間21分と京都バスの1時間55分に比すと大幅な短縮であった。大杉谷の下の水場の付近に人間の髪の毛を入れた袋が道沿いに沢山ぶら下げてあったが、何の目的でそうしているのかいささか不気味な思いがした。獣よけのようにも思えたが。

清滝では京阪三条駅行きが多少遅れて16:40に出発となり、うまい具合に座ることも出来終わり良ければ全て良しの再開山行となった次第である。心配した目の調子もその後悪くはならず、今後の山行に自信が出てきたようである。(2001.09.27記)

第01回山行記録バックナンバー(何故山好きに)(2000.09.14)
第02回山行記録バックナンバー(念願の劔岳に登る)(2000.10.15)
第03回山行記録バックナンバー(秋の白峰三山)(2000.12.30)
第04回山行記録バックナンバー(交野山 - 石仏の道)(2001.03.15)
第05回山行記録バックナンバー(懐かしの摩耶山)(2001.04.15)
第06回山行記録バックナンバー(早春の奥比叡縦走)(2001.04.30)
第07回山行記録バックナンバー(めずらしく九州の山 - 由布岳)(2001.05.15)
第08回山行記録バックナンバー(八淵ノ滝から武奈ケ岳)(2001.05.30)
第09回山行記録バックナンバー(大普賢岳より七曜岳まで) (2001.06.15)
第10回山行記録バックナンバー(権現山より蓬莱山まで)(2001.07.15)